研究課題/領域番号 |
19K19120
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
那小屋 公太 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10806491)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 嚥下 / 喉頭感覚 / ラット / 筋電図 / 感覚入力 / リドカイン / 咀嚼 / 呼吸 / 神経記録 / ニューロン記録 / 相互変調効果 |
研究開始時の研究の概要 |
摂食嚥下障害を有する高齢者の多くは咀嚼をはじめとする口腔機能や呼吸機能に問題を抱えている。摂食嚥下運動において、咀嚼運動や呼吸運動と嚥下運動の協調は欠かせないが、それぞれの神経機構やお互いの相互作用についてはほとんど知られていない。本研究は、生理学的手法を用いて、脳幹延髄レベルにおける咀嚼、嚥下、呼吸の機能的相互作用を明らかにすることを目的とする。本研究結果は、嚥下における咀嚼運動を含む口腔機能や呼吸機能の重要性を再認識し、さらに口腔機能や呼吸機能の改善が摂食嚥下運動にいかなる効果をもたらすかという摂食嚥下リハビリテーションに対する論理的根拠を与えることにつながると期待している。
|
研究成果の概要 |
当初研究課題としていた実験内容が技術的に困難であったため、最終年度に実験内容を下記に変更し実験を遂行した。過去の文献より、嚥下中の喉頭感覚が喉頭閉鎖の強化に関連している可能性が考えらているが、その生理学的機序は明らかになっていない。そこで本研究は、電気刺激入力の有無やリドカイン喉頭麻酔を用い、感覚入力の有無が嚥下動態へ及ぼす影響を明らかにすることを目的に実験を行った。刺激頻度の増加やリドカイン喉頭麻酔により、誘発される嚥下反射のタイプ別割合を変化させ、また、嚥下関連筋・筋活動を延長させることがわかった。以上より、喉頭感覚の有無やその程度が、嚥下動態を変調させる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喉頭感覚入力の有無や程度の違いが嚥下関連筋の筋活動を変調させている可能性が示唆された。このことより、喉頭に感覚入力がある状態、例えば、少量の食物を用いる直接訓練を行なっている際などの方が嚥下関連筋をより活動させ、リハビリテーションとして効果的であることが再確認された。ただ単に刺激入力を大きくし、すぐに嚥下反射を誘発させるのではなく、適度な刺激で一定時間刺激を入力した状態で誘発された嚥下反射の方がよりリハビリテーションとしては効果的な可能性があり、今後新たなリハビリテーション方法を模索する上で非常に重要となってくると考えられる。
|