研究課題/領域番号 |
19K19130
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大川 敏永 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (40726006)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | CAD/CAM冠 / Digital Dentistry / 顎運動 / 咬合面形態 / CAD/CAM / バーチャルFGP / 機能運動面 |
研究開始時の研究の概要 |
CAD/CAM冠脱離の原因として,接着力を上回る咬合力がクラウンに加わることが考えられる.すなわち,咬合調整時の下顎の滑走運動経路と咀嚼時の下顎運動経路に差があることから,その差によって生じる早期接触が冠に対して離脱力として働くと推察される.しかし,その差に関しての詳細な報告は見られない. 本研究の目的は,CAD/CAM冠の良好な長期予後および適応拡大のために,①前方・側方滑走運動時と,②咀嚼運動時の対合歯咬合面の運動経路の差から,干渉しやすい部位,運動を明らかにし,科学的根拠のある咬合調整方法を確立することである.
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研究成果の概要 |
CAD/CAM冠の臨床使用が拡大する一方で,脱離や破折のトラブルに関する報告が増えてきている.そこで咬合調整の不足が原因と仮定,滑走運動と咀嚼運動の差異が,咬合面のどの部位にて干渉が残りやすいのかを明らかにし,CAD/CAM冠の長期予後の向上を図ることを目的とした. その結果,咬合面における滑走運動と咀嚼運動の経路には差があること,非習慣性咀嚼側における作業側および平衡側の干渉量は,習慣性咀嚼と比較して大きくなる傾向にあることが明らかとなった.また,特に平衡側の舌側咬頭内斜面(C領域)で特に干渉しやすい傾向になることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今の本邦における医療政策を鑑みると,CAD/CAM冠の臨床適応の拡大および長期予後の向上は重要である.また,歯科デジタル技術の発達は著しく,従来法では再現できなかった咀嚼運動も設計に取り入れることが可能となっている. 本研究で得られた結果から,CAD/CAM冠を含む補綴装置の設計時および咬合調整時に注意すべき箇所があることが明らかとなった.また,顎運動に調和した咬合面形態を付与するうえでのデジタル技術使用方法の礎となり得ること,咬合調整にあたり,非習慣性咀嚼側での咬合を特に考慮する必要が明らかになったことについて,初めて定量的な評価ができた点で大きな学術的意義を有していると思われる.
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