研究課題/領域番号 |
19K19173
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
太田 麻衣子 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (60824993)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 間葉系幹細胞 / 神経組織再生 / サイトカイン / NGF / IL-6 / TGF-β1 / 神経組織再生療法 / 神経栄養因子 / 抗炎症性マクロファージ / 神経細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、TGF-βの刺激により歯周靭帯由来間葉系幹細胞SCDC2から分泌されるNGFが神経細胞様細胞PC12の突起を伸長させることや、炎症性サイトカインがSCDC2由来のNGF発現を抑制することを見出した。 これらは、歯周靭帯では非炎症環境下で間葉系幹細胞由来NGFによる感覚神経受傷後の再生メカニズムが働くことを示唆した。一方、NGFは侵害受容神経を刺激すると知られている。 本研究では、NGFによる局所の疼痛誘発を回避しつつ、神経再生効果を最大限に引き出すための分子学的基盤を確立すると共に、歯周靭帯由来間葉系幹細胞ならびに抗炎症性細胞を併用した革新的神経再生療法の樹立を目指したい。
|
研究成果の概要 |
研究代表者は、以前に、組織修復性サイトカイン刺激により歯周靭帯由来間葉系幹細胞(PDL-MSC)から分泌される神経栄養因子(NGF)が、神経細胞の突起を伸長することや、炎症性サイトカインがPDL-MSCでのNGFの発現を抑制することを報告した。これらの発見は、歯周靭帯では非炎症環境下でMSC由来のNGFによる感覚神経受傷後の再生メカニズムが働くことを示唆している。本研究では、神経組織修復因子としての臨床応用が期待されるNGFによる神経再生効果を最大限に引き出すための細胞・分子学的基盤の一部を確立した。今後は、MSCをはじめとした抗炎症性細胞を応用した革新的な神経再生療法の樹立を目指したい。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非炎症性環境下では、間葉系幹細胞(MSC)の持つ神経組織再生能力が十分に発揮されることは、以前に報告済みである。本研究では、組織修復性サイトカインTGF-betaが、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)における炎症性サイトカインIL-6の発現を促進することを新たに発見した。興味深いことに、このhMSC 由来のIL-6は、神経細胞に対するhMSC由来NGFによる神経細胞再生効果を増強することが、明らかとなった。本研究成果は、MSCを利用した神経再生療法が、炎症環境での利用にも適することを示唆するものであり、hMSCを用いた革新的な神経再生療法の樹立のための細胞・分子学的基盤の一部となるものである。
|