研究課題/領域番号 |
19K19213
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 泰 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80459586)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 唾液腺腫瘍 / 免疫組織化学染色 / 多形腺腫 / FFPE組織 / 遺伝子異常 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液腺癌の術前組織診断や転移の検出、予後予測、治療抵抗性に対し新たなバイオマーカーが必要である。本研究は唾液腺癌のFFPE組織をマイクロダイセクションしてマイクロアレイを行い、miRNAを網羅的に解析し、既知の治療標的分子に加え、免疫系遺伝子、増殖・浸潤関連遺伝子、上皮間葉転換関連遺伝子、各種トランスポーターの発現動態を解析する。唾液腺癌の分子生物学的特徴を明らかにして、臨床的な予後や病理組織学的所見との関連を探り、バイオマーカーを抽出することで、新規治療標的分子の開発、血液や唾液中のmiRNA定量、同定などで腫瘍の組織診断や転移の有無などの診断の一助となるマーカー開発に寄与したいと考える。
|
研究成果の概要 |
口蓋腺に発生した多形腺腫を対象としSeifert分類に準じて病理組織学的分類を行い、免疫組織化学的検索を行った。SOX10陽性細胞率はcellular type (84.7%) が最も高値を示し、3つのsubtype間で有意差を認めたことから、Seifert分類は被膜近傍の腫瘍性筋上皮細胞の出現比率と深く関係している可能性が考えられた。EGFRは主として導管上皮様細胞の細胞膜で陽性所見が認められ、EGFRのimmunoreactivescoreでは,cellular-rich typeが最も高値を示し、他のtypeと比較して生物学的活性が高い可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多形腺腫は被膜を有するが、被膜が不完全なことや被膜内に浸潤を認めることがあるため、病理組織学的な検索では腫瘍細胞と被膜との関係性を明らかにすることが重要である。 本研究の成果から、口蓋腺における多形腺腫においては被膜近傍の腫瘍組織はSeifert分類による組織型と生物学的活性との関係性が示唆された。特に, cellular-rich typeはSOX10とEGFRの染色態度に鑑み腫瘍細胞の増殖・分化といった生物学的活性が高い可能性が示唆された。
|