研究課題/領域番号 |
19K19239
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
畠中 柚衣 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60815265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮がん / noncoding RNA / lncRNA / エピゲノム / がん遺伝子シグナル / 口腔がん / 長鎖noncoding RNA / DLEU1 / インターフェロン応答 / IFITM1 / 口腔扁平上皮癌 / interferon |
研究開始時の研究の概要 |
口腔扁平上皮がんに関与する長鎖非コードRNA(lncRNA)のスクリーニングを行い、新規口腔がん関連lncRNAとしてDLEU1 (deleted in lymphocytic leukemia 1)を同定した(Cell Death Dis, 2018)。これまでの解析から、DLEU1は口腔がんで高頻度に過剰発現し、HAS3、CD44、TP63などの発現を制御することで、口腔がん細胞の増殖・遊走・浸潤を促進することが示された。本研究はDLEU1とこれらoncogenic signalを結ぶ分子機構を明らかにし、口腔がんの新規治療法開発につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
我々はDLEU1が口腔扁平上皮がんにおいて高発現することを明らかにした。本研究では、DLEU1が口腔がん細胞のエピゲノムに与える影響を解析した。その結果、DLEU1ノックダウンが、ヒストン修飾の変化を誘導すること、特に多数のインターフェロン応答遺伝子(ISG)のH3K4me3/H3K27acおよび発現レベルを低下させることを明らかにした。DLEU1により影響を受けるISGの一つIFITM1は、口腔がんにおいて高発現し、かつ増殖、遊走、浸潤を促進する働きを示した。これらのことから、DLEU1の腫瘍促進機能の少なくとも一部は、ISGの発現誘導を介することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔がんの5年生存率は約50%であり、さらなる治療標的の同定が求められている。近年、長鎖非コードRNA(lncRNA)のがんにおける役割が注目されており、研究報告数が増加している。しかし、1~2万種類存在するlncRNAの多くは、その機能が未だ不明である。これまで我々はDLEU1というlncRNAが口腔がんにおいて発現上昇し、かつ腫瘍促進的に機能することを明らかにしてきた。本研究では、DLEU1が口腔がん細胞のエピゲノム制御に関わること、DLEU1がインターフェロンシグナルを活性化すること、DLEU1によって活性化される下流標的遺伝子が腫瘍促進的に働くことを明らかにした。
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