研究課題/領域番号 |
19K19267
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
河野 加奈 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40780862)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 形態変化 / 軟食 / 3D / CT / マウス / 3D / 顎骨形態 / 食餌性状 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではまず、in vitroでの実験により粉末餌で飼育したマウスで遺伝子発現様態に変化が見られたMyh1、2、4が、申請者が同定したリコンビナントタンパク質の下流分子であるかどうかを確認するため、筋細胞由来細胞株にリコンビナントタンパク質を添加し、Myh遺伝子群の発現様態に変化が生じるかどうかを確認する。次に、マウス咬筋の器官培養を行い、そこに同様にリコンビナントタンパク質を添加し、同様にMyh遺伝子群の発現様態に変化が生じるかどうか調査する。更にその後in vivoの局所投与または全身投与によって、意図的に咬筋の性質及び下顎骨の形態を変化させることができるのかどうかを調査する。
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研究成果の概要 |
後天的因子が顎骨の形態形成に及ぼす影響を詳細に把握するため、同成分の粉末餌と固形餌を与えることで生じるマウス顎骨の形態変化を、マイクロ3DCTを用いた独自の形態比較手法の開発によって検出し、食餌の違いがマウス下顎骨の形態におよぼす影響を論文として発表した。2020年度は、食餌の違いがマウス上顎骨の形態におよぼす影響を論文として報告した。2022年度は、主成分分析を使用してサンプル全体のトポロジー変化を分析し、粉末餌サンプルと固形餌サンプルの形態学的差異を説明する要因を特定するとともに、分析結果に基づき正準判別分析を用いて、粉末餌サンプルと固形餌サンプルの違いを説明する形態学的特徴を特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、環境要因がエピジェネティック制御に影響を与え、その結果、形態形成異常が生じるという全く新しい概念を提案するものであり、学術的独創性が高い。その知識基盤が確立されれば、不正咬合患者の診断において、特定の遺伝子のエピジェネティック変異があるかどうかを調べることにより、成長予測や治療効果の予測が行えるようになるかもしれない。さらに薬剤の投与によってそれをコントロールすることができれば将来の矯正歯科治療における治療の一つのありかたに大きな変化をもたらすことができる。このように、本研究がもたらす研究結果は学術的意義、社会的意義が非常に高いと考えられる。
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