研究課題/領域番号 |
19K19287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
笠原 由紀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50822558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Dscr1 / 骨芽細胞 / ダウン症候群 / DSCR1 / ダウン症 / 骨 / RCAN1 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症候群患者には上顎の発育不全に伴う不正咬合が出現すると報告されている。しかし、その分子生物学的な発症機序は明らかにされていない。そこで、ダウン症候群の原因となる21 番染色体上にコードされるDscr1に着目した。本研究では、『Dscr1 が骨芽細胞分化に与える影響の解明』を目的とした分子生物学的解析によりDscr1 の骨代謝調節作用を検証後、ダウン症患者由来の骨芽細胞系細胞におけるDscr1 の発現動態を明らかにし、『ダウン症患者におけるDscr1 がもたらす骨代謝調節作用の解明』、ならびにダウン症の病態原理解析による『骨形態形成不全への新たな治療標的の探索』を目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究ではダウン症候群の原因となる21番染色体上にコードされるDown syndrome critical region1(Dscr1)のカルシニューリン阻害活性に着目し、Dscr1バリアント特異的な発現変調が骨代謝機能へ及ぼす影響を検討した。実験結果では、Dscr1.v2タンパクの発現量が細胞内cAMP濃度の上昇とともに増加し、骨の形態形成に関連している可能性が示唆された。また、Dscr1.v2の過剰発現により石灰化能に変化が見られた。しかし、Dscr1変異体安定株による機能発現領域の特定には至らず、Dscr1.v2過剰発現トランスジェニックマウスの骨形態計測解析でも変化は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨芽細胞におけるDscr1バリアント特異的な発現変調およびDscr1.v2の過剰発現が骨の代謝機能へ関連することが示唆されたことにより、ダウン症候群の骨形態形成不全に関する新たな理解、病態解明に向けた基礎研究の進展に寄与したと考える。また、ダウン症候群における治療法の開発に向けた基盤となるだけでなく、骨代謝異常や骨疾患の治療法の開発にも役立つ可能性がある。また、骨形成に関与するメカニズムの理解は、一般的な骨の健康管理にも応用できると考える。総じて、本研究はダウン症候群の病態解明に寄与するだけでなく、骨形態形成不全への治療法開発や骨の健康状態の向上に向けた展望を提供できたと考えられる。
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