本研究ではダウン症候群の原因となる21番染色体上にコードされるDown syndrome critical region1(Dscr1)のカルシニューリン阻害活性に着目し、Dscr1バリアント特異的な発現変調が骨代謝機能へ及ぼす影響を検討した。実験結果では、Dscr1.v2タンパクの発現量が細胞内cAMP濃度の上昇とともに増加し、骨の形態形成に関連している可能性が示唆された。また、Dscr1.v2の過剰発現により石灰化能に変化が見られた。しかし、Dscr1変異体安定株による機能発現領域の特定には至らず、Dscr1.v2過剰発現トランスジェニックマウスの骨形態計測解析でも変化は認められなかった。
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