研究課題/領域番号 |
19K19289
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) (2020-2022) 新潟大学 (2019) |
研究代表者 |
穴山 美絵 (黒澤美絵 / 黒澤 美絵) 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 歯科医師 (70792282)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | A群レンサ球菌 / 小児咽頭炎 / 炎症制御 / 小児 / 咽頭炎 / 転写因子 / 炎症増悪 / 免疫干渉 |
研究開始時の研究の概要 |
A群レンサ球菌による咽頭炎は小児に多く発症し,疼痛と炎症による嚥下障害を引き起こすため,口腔機能管理上からも問題視されている.同菌による感染が重症化する一因としては,宿主の免疫機能を低下させ,さらに感染局所の炎症を増悪させる様々な病原因子を産生することが推察されている.本研究では,同菌の産生するCAMP毒素およびロイシンジッパー型タンパクに焦点を当て,これら2分子が免疫系に及ぼす分子メカニズムを解析し,次いでワクチン抗原としての可能性も検索する.以上より,国内年間40万人以上のA群レンサ球菌患児の治療,および歯科発のワクチン研究の基盤開拓を目指す.
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研究成果の概要 |
学童期の小児が罹患する咽頭炎の主な原因菌であるA群レンサ球菌による咽頭炎の国内での患者報告数は激増している。そこで本申請研究では、A群レンサ球菌の保有する転写因子Lzpが宿主マクロファージのNrf2と拮抗的に結合することにより、炎症防御系遺伝子群の転写に影響を及ぼしていると仮説を立て、検索した。組換えLzpタンパクを作用させたマウスマクロファージのNrf2標的遺伝子の発現、活性酸素の産生量,および宿主の転写因子NF-κBの活性解析を行った。本申請研究でA群レンサ球菌性咽頭炎が重症化する分子機構が解明され、ワクチンの開発に関する一案が報告できれば、社会的な貢献を果たすことができると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌性感染に対して抗菌薬を頻用した結果、世界的に薬剤耐性菌が増加した。このような背景があり、国連・欧米諸国・日本では、世界規模の緊急課題として薬剤耐性菌対策が採択された。このまま薬剤耐性菌の感染症に抜本対策が採られなければ、2050年には世界で毎年1,000万人以上の死者が生じることがWHOにて推計されている。また、耐性菌感染症による国内の経済損失は1兆円を超えると試算されている。本申請研究を通じて、小児における咽頭炎発症ならびに重症化の予防研究へ発展させ、抗菌薬の使用を減じることで、口腔関連感染症の医療費削減にも寄与し、社会的な貢献を果たしたいと考えている。
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