研究課題/領域番号 |
19K19294
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小林 優子 (森川優子) 岡山大学, 大学病院, 医員 (70803188)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 小児がん / 大量化学療法 / Streptococcus mutans / ミュータンスレンサ球菌 / 抗がん剤 / 口腔細菌叢 / ABCトランスポーター / 歯周病菌 / 化学療法 / ミュータンス連鎖球菌 |
研究開始時の研究の概要 |
小児がん患者における大量化学療法の際には、免疫能が低下することで口腔内の環境が大きく変化するため、口腔細菌叢に変化が生じる可能性が考えられている。各種口腔細菌において、口腔内の環境変化に対応する最も重要なタンパクとして「ABCトランスポーター」が挙げられ、口腔細菌が様々な環境の変化に曝露された際に、そのストレスに応答することで発現動態を変化させることが知られている。本研究では、大量化学療法を行う小児患者における口腔粘膜障害の原因の特定につながる知見を得るために、患者の口腔検体を採取し口腔細菌の「ABCトランスポーター」に焦点をあて、分子生物学的手法を用いてその発現動態を明らかにしていく。
|
研究成果の概要 |
造血幹細胞移植を施行する患児から唾液を採取し、PCR法を行ったところ移植後3か月の口腔内細菌は移植前には歯周病原菌の存在が認められた。また、得られた唾液から齲蝕病原性細菌 Streptococcus mutans を分離し、その病原性について検討したところ、S. mutans 株の齲蝕病原性は移植後3か月までは低い状態であることがわかった。以上の結果から、移植後の患児の口腔内の状況は移植前と比較して大きく変化していることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大量化学療法による全身状態の変化や長期にわたる抗生剤の投与によって口腔内の状況が変化し、口腔内細菌叢が変化したと考えられる。このことから、口腔粘膜障害はこの変化によって引き起こされていると考えられる。また、移植後の口腔内の状態は移植直前直後よりもう蝕や歯周疾患のリスクが高くなっている可能性が高いことが示された。このことから、大量化学療法後は長期的な口腔内管理が必要であることが明らかとなった。
|