研究課題/領域番号 |
19K19300
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
左合 美紗 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40815825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯科矯正 / 疼痛 / 歯科矯正学 / ノシセプチン / 歯科 矯正学 |
研究開始時の研究の概要 |
矯正治療中の患者の大半が歯の移動による痛みを感じ、矯正治療を断念する患者も存在する。矯正治療による痛みは早急に解決するべき問題であるが、その詳細なメカニズムは不明である。オピオイド関連受容体の内在性リガンドとして発見されたノシセプチンとその受容体は、痛みを中心とする感覚線維受容部位に発現し、その受容部位により内因性に発痛および鎮痛作用を有する。本研究は実験的歯の移動モデルラットを用い、ノシセプチンと矯正力による疼痛との関連性に焦点を当て、疼痛が消失するメカニズムとノシセプチンの関連性を明らかにすることを目的とし、このメカニズムを患者が最も苦しむ初期の疼痛に応用し、新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
矯正歯科治療中、多くの患者は痛みや不快感を訴える。矯正力を加えた1日後に痛みはピークとなり、その後徐々に軽減はしていく。しかし持続的な矯正力が加わるにも関わらず、疼痛が消失するメカニズムについての報告はない。本研究では実験的歯の移動モデルラットを用い、内因性オピオイドと矯正力による疼痛との関連性について行動学的検討を行った。侵害受容行動は1日目に有意に延長し、5日目はコントロールレベルまで回復した。初期の疼痛にはTRPA1チャネルの活性化の関与が示唆され、5日目における疼痛抑制は内因性オピオイドによるものではないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果は、矯正治療時の疼痛発症機序の解明にとどまらず、口腔顔面領域で生じる疼痛や不快感などの病態解明や治療法、治療薬開発へ貢献すると期待される。痛みのために治療を断念していた患者をなくし、さらに患者のQOLや治療に対するモチベーションも大いに向上することが期待され、社会にも大きな影響を与える。
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