研究課題/領域番号 |
19K19303
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
吉田 寛 昭和大学, 歯学部, 助教 (20823074)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 神経堤由来細胞 / 骨再生 / 遺伝子解析 / 口唇口蓋裂 / モデルマウス / バイオリサイクル / 頭蓋骨 / 下鼻甲介 / マウス / 担体 / 頭蓋骨欠損モデルマウス / ラマン分光法 / アテロコラーゲン / 鼻甲介 / 細胞移植 / 硬組織再生 / 再生療法 / 骨欠損 |
研究開始時の研究の概要 |
唇顎口蓋裂に起因する歯列不正の矯正歯科治療の一環として、顎裂によって分断された歯列の連続性を獲得するため、就学前後に顎裂部への骨移植術が実施される。申請者らのグループは今までに、マウスの神経堤由来細胞が成体の体内各所に未分化な状態で潜伏し、特に頭蓋顎顔面で高密度に局在することを明らかにした。一方で、唇顎口蓋裂患者において鼻閉の原因でしばしば切除される肥大や下垂した鼻甲介は、特に神経堤由来細胞が多数分布することから、顎裂部骨移植術の新たな基盤技術を作り出すため、唇顎口蓋裂患者の鼻甲介を含む頭蓋顎顔面領域に存在する神経堤由来細胞を利用した骨組織誘導法の確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
唇顎口蓋裂患者は、出生時から上顎骨の一部に骨欠損を伴っており、就学期前から学童期の間に、自らの腸骨を用いて補填する必要がある。本研究は、頭蓋顎顔面に多量に存在する神経堤由来細胞を用いた骨誘導法を確立することである。この幹細胞は、低侵襲かつ安全、顎顔面の大半を構成する組織幹細胞群で、患者自身から採取するため倫理的問題や免疫拒絶反応を回避できる点から、理想的な細胞ソースと考えられる。神経堤由来細胞を含んだ担体を人為的に欠損させたマウス頭蓋骨へ移植することで修復された骨が既存の骨と類似した性質を持つことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、頭蓋顎顔面に多量に存在する神経堤由来細胞を用いた骨誘導法を確立することで、唇顎口蓋裂患者への顎裂部骨移植術の開発を行うことを目的としており、加えて神経堤由来細胞の採取組織は、口唇口蓋裂治療の一連の流れの中で破棄される下鼻甲介から採取することができる。さらに、患者自身から採取するため、倫理的問題や免疫拒絶反応を回避できる点から、実現可能かつ理想的な細胞ソースと考えられる。これらを用いた顎裂部骨移植を行うことで、本来採取されるはずであった腸骨へのアプローチが不要となり、より低侵襲な治療を行うことができる。また、入院期間の短縮や、歩行困難期間が無くなる意義がある。
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