研究課題/領域番号 |
19K19310
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 奏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10736474)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | う蝕 / 野菜 / ベジファースト / 小児 / 社会経済状態 / 子ども |
研究開始時の研究の概要 |
う蝕予防には様々な手法を組み合わせた多角的なアプローチが必要であり、そのひとつとして野菜摂取量の増加が存在する。しかし、通常の健康教育等で野菜摂取量を増やす行動変容を起こすことは困難である。そこで、自然に健康な行動選択を行う環境の“初期設定”となる「食事の順番」に着目し、野菜から食べる「ベジファースト」がう蝕を減らすという仮説を立てた。「ベジファースト」を取り入れると野菜摂取量が増えることが明らかとなっている。よって本研究は、小学生を対象とした縦断調査を用いて、生活習慣の形成初期段階である幼少期に「ベジファースト」を習慣付けることで、自然と野菜摂取量が増え、う蝕予防につながるかを検証する。
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研究成果の概要 |
東京都足立区の小学1年生を対象とした人口ベースの前向き研究データを用い、2015年(小学1年生)のベジファースト(VF)習慣の有無と、2018年(小学4年生)の永久歯う蝕の有無との関連についてポアソン回帰分析にて検証した。3,223名のうちVF習慣がある者は384名(11.9%)であった。VF習慣がある者は、社会経済状態や歯科保健行動等を調整したうえでもう蝕になる確率が低かった(IRR=0.71(95%信頼区間、0.53-0.93)、p=0.015)。永久歯が生え始める小学1年生からVF習慣を持つことは、子どもの永久歯う蝕を予防する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究より、ベジファースト習慣があることで、親の教育歴や収入のような社会経済的状態を考慮しても、子どものう蝕を減らす可能性が示されたため、幼少期のう蝕格差是正に貢献することが期待される。小児期に確立された食事パターンは、その後も続く傾向があることが示されている。「食べる順番」については、学校給食等を通じて幼少期に習得可能であり、行動変容につながる可能性が高いポピュレーションアプローチとなり得る。
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