研究課題/領域番号 |
19K19311
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石宮 舞 金沢大学, 附属病院, 医員 (70834620)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 社会歯科学 / 口腔機能低下 / 認知機能低下 / 社会系歯学 / 口腔機能低下症 / 口腔機能 / 認知機能障害 / 認知症 / 地域在住高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の65歳以上の認知症高齢者数と有病率は過去の推計値を上回る早さで上昇している。歯科と認知症の関連については日本の高齢者を調べた原著論文は少なく、歯科と認知症の関連を否定する報告もあり、一貫した明確な結論は現在のところ得られていない。共同研究者の金沢大学脳神経内科の山田正仁教授らは2006年より地域在住高齢者の認知症等の脳老化関連疾患の早期発見、予防をめざした疫学研究を行なっており、将来の推計値を反映する地域脳健診となっている。さらに、この調査では認知症の全症例が統一された診断基準に基づき判定される。この精度と信頼性の高い地域脳健診でデータを採取し、歯科と認知症に関する新しい知見を得る。
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研究成果の概要 |
石川県七尾市中島町の地域在住高齢者に認知機能検査、生活習慣調査、口腔機能検査を実施した。残存歯数により被験者を3つの集団(残存歯が10歯未満、残存歯が10~23歯、残存歯が24歯以上の集団)に分けて統計分析を行ったところ、残存歯が10歯未満の認知機能正常者の集団は、残存歯が24歯以上の認知機能正常者の集団と比較して海馬傍回、上頭頂小葉、中側頭回、舌状回および上側頭溝の側壁(bankssts)の容積が有意に小さく、深部灰白質の容積が有意に大きかった。これは認知機能が正常な人でも歯を喪失すると、認知症の特徴である海馬傍回の萎縮と深部灰白質の容積の増大が起こることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知機能低下と口腔機能低下との関連について調査した研究はこれまでに存在するが、認知機能についてはMMSEやHDS-Rを用いて簡易的に評価されたものが多かった。本研究では被験者の頭部MRIが撮影され、脳神経内科医師により認知症やMCIについての診断が行われ、同時に口腔機能検査が行われているという点において貴重なデータを得ることができたと思われる。今後は因果関係を明らかにするために追跡調査が必要と考える。
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