研究課題/領域番号 |
19K19332
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中嶋 千惠 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40812657)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 細菌叢 / ウェルシュ菌 / クローディン4 / YAP / 上皮間葉移行 / がん幹細胞性 / 非タイトジャンクションクローディン4 / がん悪性化 / EMT / Clostridium / Claudin4 / SSA/P / CPE / 口腔扁平上皮癌 / 口腔内細菌 / Clostridium perfringens / 口腔衛生 / 口腔細菌叢 / 自然免疫 / 免疫チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
「口腔内衛生環境の改善が全身の抗腫瘍免疫の改善に役立つのか」と言う問いに解答を出そうとするものであり、①口腔内衛生環境と全身自然免疫系チェックポイントとの関連を明らかにし、②口腔内衛生環境の癌の進展への影響を免疫系との関連性から解明する。③さらに、口腔内衛生環境が獲得免疫系チェックポイント阻害剤の効果に影響を与えることを明らかにし、④最終的には、殺菌作用を有する含嗽剤の使用による口腔衛生の保持が、自然免疫系チェックポイント・獲得免疫系チェックポイントの両者の制御に有用であることを示すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
ウェルシュ菌はタイトジャンクションを障害するが、口腔扁平上皮癌では腫瘍内のウェルシュ菌によりclaudin-4の細胞内移行によりYAPの活性化を誘導し、その結果、EMTと幹細胞性が亢進した。同様にしてウェルシュ菌は大腸癌前癌病変SSA/P-Dの悪性化に寄与することが明らかになった。さらに、腎細胞癌でもEphA2-PKCεによりウェルシュ菌に類似したclaudin-4の細胞内移行によるYAPの活性化がもたらされた。このように、非タイトジャンクションclaudin-4-YAP経路は新たながん治療の標的となる考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体内細菌叢の細菌と癌との関係は未だ不明な点が多い。この腫瘍-細菌連関の免疫や発癌への影響をタイトジャンクションという切り口から解明することにより、新たな癌の悪性化機序を見出し、新規治療標的を抽出することを本研究の目的とする。本研究の結果は、腫瘍-細菌連関を標的とする口腔衛生、プロバイオティックスや分子標的治療の開発に有用な知見をもたらすことが期待される。
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