研究課題/領域番号 |
19K19366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2020-2022) 東京理科大学 (2019) |
研究代表者 |
尾関 理恵 順天堂大学, 医学部, 助教 (60801991)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 電子患者日誌 / 経口抗凝固薬 / 服薬アドヒアランス / 副作用早期発見 / アカデミック・ディテーリング / 処方支援 / 患者教育 / 臨床薬剤師 / 副作用発現 / 抗凝固薬 / 副作用 / ワルファリン / DOAC / 処方率 / 医薬品比較システム / 循環器外来薬剤師 |
研究開始時の研究の概要 |
循環器外来に薬剤師を配置して、アカデミック・ディテーリングを行い、電子患者日誌を活用した継続的な服薬指導をおこなうことで服薬アドヒアランス向上効果を検証する。 米国では、医師の診断後、薬剤師が主に薬物治療を行うという、外来医療チームにおける薬剤師の役割が確立されている。今回の循環器外来への薬剤師配置は新たな試みであり、公正中立な立場で患者背景に即した薬剤提案につながるアカデミック・ディテーリングをおこなうことにより、最適な薬剤が処方され、さらに継続的な服薬指導によって、患者が治療に前向きに取り組み、服薬が継続できる介入効果を明らかにして、外来への薬剤師配置へのきっかけとしたい。
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研究実績の概要 |
抗凝固薬電子患者日誌は、経口抗凝固薬であるアピキサバン、エドキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン、ワルファリンを内服している患者向けに服薬の記録と副作用の早期発見目的に開発した。本電子患者日誌は患者自身のスマートフォンやタブレットを用いて、WEBからアクセスするシステムであり、受診の記録、日々の記録、記録を見る画面から構成される。患者は本システムにアクセスし、服薬の有無、服薬できなかった場合はその理由を入力し、その日の体調、血圧、脈拍、体重、出血の有無についても記録する。東京理科大学薬学部にて、画面設計を行い、システム会社に開発を依頼した。 本電子患者日誌を活用した服薬アドヒアランス向上を検証する臨床試験を計画した。対象は経口抗凝固薬を服用中で、抗凝固薬電子患者日誌を使用でき、同意を得られた患者100名であり、2カ月間の試験期間のうち、1カ月間は抗凝固薬電子患者日誌を使用し、1カ月間は使用せずに通常の服薬管理を行う、ランダム化クロスオーバー試験とした。倫理審査委員会で承認を受けたのち、順天堂大学医学部附属順天堂医院循環器内科及び聖路加国際病院循環器内科の2施設で臨床試験を実施した。主要評価項目は服薬達成率(服薬達成率=(観察期間-飲み忘れの日数)/観察期間x100)とし、副次評価項目は薬剤毎の服薬達成率、副作用の発生状況、患者の抗凝固薬電子患者日誌に対する使用感、医療者に対する抗凝固薬電子患者日誌の有用性の意識調査とした。得られた研究成果は第87回日本循環器学会学術集会チーム医療セッションシンポジウム等で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗凝固薬使用状況に関する調査について、解析を行い、論文投稿を進めているところである。また、外来薬剤師による電子患者日誌を活用した服薬アドヒアランス向上を検証するランダム化クロスオーバー比較試験においてもデータを解析し、論文化を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
臨床試験において、患者登録に協力いただいた医師らと共に各症例のレビューを行い、解析を行う。得られた結果から論文投稿を目指す。
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