研究課題/領域番号 |
19K19469
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
堀内 清華 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00807646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 緊急産科ケア / 低中所得国 / 医療ケアの質 / 母子保健 / 低所得国 / 医療従事者トレーニング / 産科ケア / 母子重症アウトカム |
研究開始時の研究の概要 |
新生児死亡と母体死亡の軽減は世界的課題である。その死亡の大半は出生時に発生しており、出産時のルーチンケアの改善と緊急時ケアの強化は、分娩施設での母体・新生児死亡率低減を目的とした基本的介入である。これまで、ルーチンケアと緊急時ケアは個別に導入されてきたが、医療資源の乏しい国では重症化した症例への対応は難しい。ルーチンケアの質を高め、正常分娩を正常に保ち、正常分娩からの逸脱症例を早期発見・治療することは喫緊の課題である。本研究では、ルーチンケアと緊急時ケアの接続を重視し、正常分娩からの逸脱症例を早期発見・治療して重症化予防するための、新たな「連続的産科ケアパッケージ」の評価を行う。
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研究成果の概要 |
ラオス国における17の県病院において、産科医療に関わる医療従事者を対象に、継続的産科ケアのトレーニングを実施した。継続的産科ケアは、通常の産科ケアの提供中に、妊婦の状況を把握し、合併症の早期発見と早期対応につなげることで、重篤な合併症や死亡を予防することを目的としている。 17の県病院から317人の妊婦の医療記録からデータ収集を行った。介入後に、妊婦の血圧のコントロールは改善が認められ、早期に合併症予防のための介入ができていることが示唆された。ICU入室率や妊婦の合併症、新生児死亡は減少傾向であったものの、統計学的に有意な結果は得られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
資源の限られた国において、正常分娩ケアと異常分娩ケアがそれぞれ別に教えられていたが、本研究の介入では、正常分娩ケアの際に、早く異常分娩の兆候を見つけ介入を開始できようにすることに焦点を当てているところで新規性がある。本研究では、新しい産科ケアアプローチの導入によって産科ケアに関わる医療チームの連携が改善し、より早い治療介入によって、合併症の低減につながる可能性あることが示唆された。資源の限られた地域では、多くの人員や医薬品を必要とする緊急ケアの提供が難しい場合もあり、早期に異常の兆候を見つけて介入につなげられることは、妊産婦や新生児の健康アウトカム改善のためにも非常の意義が大きいと考えられる。
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