研究課題/領域番号 |
19K19485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
名取 雄人 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80610104)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 法医学 / 分子生物学 / 生化学 / 薬物中毒 / 神経細胞 / 代謝制御 / 合成カンナビノイド / カンナビノイド受容体 / 神経細胞分化 / 危険ドラッグ / CB1受容体アゴニスト / ミトコンドリア機能障害 / エネルギー代謝 / シアリダーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、危険ドラッグによる健康被害や異常行動が社会問題となっており、その毒性機序の解明が急がれている。このような危険ドラッグのなかでも、CB1受容体アゴニストはカンナビノイド受容体CB1およびCB2と結合してその活性を現す。当研究室ではCB1受容体アゴニストがマウス大脳においてエネルギー代謝異常を引き起こすことを報告しており、ミトコンドリアはエネルギー代謝において重要な場であることから、CB1受容体アゴニストによる急性毒性発現にはミトコンドリアの機能異常との関与が考えられる。そこで、本研究ではCB1受容体アゴニストがミトコンドリアの機能に及ぼす影響を調べ、その毒性機序を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、培養細胞を用いて、危険ドラッグとして乱用されているCB1受容体アゴニストが、CB1受容体発現や代謝に与える影響を調べた。そのために、マウス由来neuroblastomeであるNeuro2Aを用いて、培養環境の変化がCB1受容体発現に与える影響やCB1受容体アゴニストがメタボロームに与える影響を調べた。その結果、培地中の血清減少によりCB1受容体のmRNA発現が変動した。また、HU-210とAM2210により糖・脂質・アミノ酸やその代謝物40成分の発現が有意に変動した。このような代謝の変動は細胞死を含む細胞や組織の機能異常を引き起こす可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、危険ドラッグの乱用が中毒死を含めた健康被害や異常行動などを引き起こし、社会的な問題となっている。このような危険ドラッグのなかでも、テトラヒドロカンナビノール(THC)と同様の作用を持つ合成カンナビノイド類は、THCや内在性リガンドと同様にカンナビノイド受容体CB1およびCB2と結合して、その活性を現す。 また、CB1受容体のアンタゴニストは肥満治療薬として海外で認可されたが、その副作用によって認可が取り消された例もある。合成カンナビノイドが特に中枢に与える影響を詳細に解明することにより、急性中毒のメカニズムを解明するとともに、治療・予防薬としてカンナビノイドの利用に寄与することができる。
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