研究課題/領域番号 |
19K19667
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 九州大学 (2022) 獨協医科大学 (2020-2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
疋田 直子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60801925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 妊婦 / 受動喫煙 / 喫煙 / モンゴル国 / 周産期アウトカム / モンゴル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、モンゴル国の妊婦の喫煙・受動喫煙状況をバイオマーカーを用いて評価し、妊娠中の喫煙・受動喫煙が周産期アウトカムに与える影響を明らかにすることを目的とする。妊娠初期に妊婦をリクルートし、呼気中一酸化炭素濃度の測定、尿中コチニンの測定を妊娠初期・中期・後期に行い、分娩後にカルテから情報を収集し、妊娠中の喫煙・受動喫煙が周産期アウトカムに与える影響を明らかにする研究である。
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研究実績の概要 |
妊娠中の喫煙は、前期破水、常位胎盤早期剥離、死産・流産・早産などのリスクを上げることが報告されている。また、妊娠中の受動喫煙は、妊娠高血圧腎症、胎児先天性奇形、死産、児の出生時体重の減少などのリスクを上げることが報告されており、妊娠中の喫煙・受動喫煙は、母児の両方に悪い影響を与える。モンゴル国では、妊婦の約1割が喫煙をしている可能性があり、また、4割以上の妊婦が受動喫煙をしていることが報告されているが、妊娠中の喫煙・受動喫煙がどれぐらい妊娠経過や出産、または胎児の発育に影響を与えているかは明らかになっていない。 本研究は、モンゴル国ダルハンオール県の妊婦を対象に、妊娠中(初期・中期・後期)の喫煙・受動喫煙状況が、妊娠経過や児の出生時体重などの周産期アウトカムにどのような影響を与えているかを明らかにすることを目的とした研究である。2019年10月~2020年9月までの期間に妊娠初期の妊婦約500名をリクルートし、その日のうちに妊娠初期の調査を実施した。自記式質問紙調査と呼気中一酸化炭素濃度の測定、尿検体の採取を行いデータを収集した。追跡調査は、妊娠中期、妊娠後期に自記式質問紙調査と尿検体の採取を行いデータを収集した。分娩時の情報は、産後に病院の診療録より収集した。 本研究によって得られる結果は、モンゴル国ダルハンオール県保健局の担当部署に報告し、今後の喫煙・受動喫煙対策を考える上での基礎データとしてもらう予定である。また、ダルハンオール県内の医療者に対しても結果を報告し、妊婦やその家族に対して行う保健指導に役立ててもらう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対象者のリクルートは、ダルハンオール県総合病院で当初の計画よりも早い2019年10月に開始し、2020年9月までの1年間行った。その後実施した追跡調査(妊娠中期・妊娠後期の調査)は2021年4月に終了した。対象者が出産を終えた後、病院の診療録から分娩時の情報を収集し、2022年3月までに調査に参加したすべての対象者の情報を収集することができた。 ここまでは、ほぼ当初の計画通りに進められたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、モンゴル国への渡航が制限され、2020年度、2021年度、2022年度は一度も現地への渡航ができなかった。調査自体は、現地で雇用している調査員にメールや電話等で適宜指示を出しながら進めてもらっていたため、質問紙調査、呼気中一酸化炭素濃度の測定、尿検体の採取はできている。しかし、調査で採取した尿検体の測定を検査会社に依頼することができていないため、調査で採取したデータがまだそろっておらず、データの分析が全くできていない状況である。 2023年度中には、新型コロナウイルスの感染状況がある程度落ち着き、モンゴル国への渡航ができるようになると思われるため、できるだけ早い時期に渡航し、冷凍保存してある尿検体を検査会社に運搬して測定依頼をする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、モンゴル国への渡航ができない状況が続いていたが、2023年度にはモンゴル国への渡航ができるようになると思われるため、現地調査員とメールや電話等で調整をしながら検査会社への測定依頼の準備を進めていく予定である。 モンゴル国への渡航ができたら、採取した尿検体を検査会社に運搬して、尿中コチニンの測定をお願いする予定である。また、現在までに実施した質問紙調査のデータは、現地調査員から送付してもらっているため、データをクリーニングしながら、統計解析の準備を進めていく予定である。また、論文を執筆し、国際誌への投稿を予定している。研究結果は、報告書としてまとめ、ダルハンオール県保健局長、並びに担当者らに報告し、今後の政策に活用してもらう。
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