研究課題/領域番号 |
19K19706
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
山岸 直子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (10320821)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 糖尿病 / 高齢者 / セルフケア / アセスメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、高齢糖尿病患者のセルフケアを支援するためのアセスメントツールを開発することである。本研究プロセスは以下の4つである。 Ⅰ.「高齢糖尿病患者の自己管理の実際と支援ニーズ」に関する研究データからのアセスメント項目・指標の抽出 Ⅱ.高齢糖尿病患者のセルフケア支援に向けたアセスメントに関する文献検討 Ⅲ.「高齢糖尿病患者のセルフケア支援のための熟練看護師のアセスメントの明確化」のための質的記述的研究 Ⅳ.「高齢糖尿病患者のセルフケアを支援するためのアセスメントツール」の作成と評価
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢糖尿病患者のセルフケアを支援するためのアセスメントツールを開発することである。今年度は、Ⅲ.「高齢糖尿病患者のセルフケア支援のための熟練看護師のアセスメントの明確化」のための質的記述的研究と、Ⅳ.「高齢糖尿病患者のセルフケアを支援するためのアセスメントツール」の作成を行った。 Ⅲでは昨年度の継続で、糖尿病看護に携わる熟練看護師10名を対象とし2022年3月~12月に半構造的インタビューを行い、質的記述的方法に基づき分析した。熟練看護師の臨床経験平均年数は25.7年、糖尿病ケア経験平均年数は14.8年であった。熟練看護師は、≪問題への気づき≫をし、≪問題への気づきから確認のための情報収集≫を行っていた。情報収集では≪なんでも話せる関係性の構築≫を基盤とし、≪患者の反応をみながら得る情報≫、≪多方面から捉える患者の実状≫をしていた。また、≪身体機能低下の判断≫、≪認知機能低下への気づき≫をふまえ、≪日常生活の維持状況の推測≫や≪これまでできていた手技や管理方法の適切性を目で確認≫していた。さらに、≪低血糖の出現状況や理解度の把握≫、≪経済状況の把握≫をしアセスメントしていた。また、≪長年培われてきた考えや生活状況、人となりの理解≫をし、≪気力や生活の楽しみの維持の判断≫も行っていた。そして、≪家族サポートと受け入れ状況の判断≫や≪社会資源の必要性と受け入れ状況の判断≫をし、タイミングを見極めながら支援につなげていた。 Ⅳでは、これまで取り組んできたⅠ~Ⅲの研究結果を統合し、高齢糖尿病患者のセルフケア支援のためのアセスメントツール試案を作成した。アセスメントツール試案では、問題の気づきとなる指標を提示し、その項目が該当した場合は多方面からの情報を収集して確認しアセスメントできるようにした。今後、アセスメントツール試案の妥当性の評価を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、病院に勤務する看護師へのインタビューが困難であり、予定通りのデータ収集が困難であった。遠隔でのインタビューに切り替えて対応を行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、Ⅳで作成したアセスメントツール試案の妥当性について検討する。妥当性の検討では、看護師からの個別インタビューを行い、作成したアセスメントツールを提示し妥当なアセスメント項目・指標か、改善した方が良い点、改善内容などをインタビューする。また、定量的方法も用いて専門家(糖尿病看護に携わる看護師、医師、研究者ら)による内容妥当性の検討も実施する。これらの妥当性の検討をふまえてアセスメントツールを修正する。
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