研究課題/領域番号 |
19K19786
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石川 博明 東北大学, 大学病院, 理学療法士 (30597828)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腱板断裂 / 三次元動作解析 / 筋活動 / 肩関節 / テーピング / 肩峰下滑液包炎 / 動作解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、腱板病変(腱板断裂、腱板炎、肩峰下滑液包炎)を有する患者における疼痛の発生機序を解明し、リハビリテーションへの応用を目指すことである。まず、腱板病変を有する患者の肩甲骨三次元運動、腱板周囲組織の接触動態、肩関節周囲の筋活動を評価し、運動学的特徴を明らかにする。次に、このような肩甲骨の運動異常を修正する介入を行うことで、疼痛が軽減するのかを評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では腱板病変を有する患者を有症候群と無症候群に分け、肩甲骨三次元運動を比較すること、テーピングを用いて肩甲骨運動を修正する介入の効果を検討することを目的とした。腱板断裂患者35名(67肩)を対象とし、この中から有症候群(23肩)と無症候群(15肩)を抽出した。有症候群の多く(83%)において、挙上運動時の痛みは大結節が肩峰を通過した後に生じていた。肩甲骨三次元運動は有症候群と無症候群の間で有意差を認めなかったが、有症候群では挙上60°以降に肩甲骨後傾が大きくなる傾向を示した。また、テーピング後に肩甲骨上方回旋、後傾、内旋角度の増加を認め、約半数の患者に疼痛改善効果を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腱板断裂患者の多くは、大結節が肩峰を通過した後に痛みが生じていたことから、腱板断裂患者の上肢挙上運動中の痛みは肩峰下インピンジメントとは異なる機械的ストレス(関節内インピンジメントなど)が原因である可能性が考えられる。また、テーピング後に肩甲骨上方回旋、後傾、内旋角度の増加を認めた。特に、肩甲骨後傾は実際に痛みが生じる挙上中期で増加を認めたことから、後傾方向に肩甲骨運動を修正する治療は痛みを軽減させるために有効であるかもしれない。今後は、本研究で得られた知見をもとにして肩甲骨運動の修正に着目した治療プログラムを立案し、最終的には早期の社会復帰の実現や医療コストの削減に繋げる。
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