研究課題/領域番号 |
19K19804
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
長島 泉 杏林大学, 保健学部, 助教 (20713548)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 応答時間 / 課題遂行方略 / 運動イメージ / 視覚イメージ / メンタルローテーション / 加齢 / 遂行方略 |
研究開始時の研究の概要 |
運動イメージ訓練に用いる課題の一つに,手の心的回転課題がある.本研究では,手の心的回転課題の遂行能力・遂行方略への加齢の影響を調査し,運動イメージ能力と上肢運動能力との関連性や加齢による変化の相違を検討する.遂行能力の指標には,手の心的回転課題の正答率と,応答時間から運動時間を減じた認知時間を用いる.遂行方略は,手写真の提示角度による認知時間の長さの変化によって推察する.運動イメージ能力は,正答率と認知時間により判別し,上肢運動能力との関連性を調査する.多年代を対象とすることで,手の心的回転課題を用いた運動イメージ訓練と臨床研究を発展させるために重要な基礎的知見を得ることができる.
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研究成果の概要 |
本研究では,手の心的回転課題の,遂行能力・遂行方略への加齢の影響を調査した.遂行能力の指標には,正答率と,応答時間から運動時間を減じた認知時間を用いた.遂行方略は,手画像の提示角度による認知時間の長さの変化によって推測した.15-88歳の多年代を対象とし,300名を超えるデータを解析した.手背画像では,若者全体と,中年者と高齢者の平均以上の遂行能力を持つ群においては,手画像をイメージ上で回転させて左右手を判断する視覚イメージ方略優位,手掌画像では年齢や能力によらず,イメージ上で手画像に自分の手を重ね合わせるような運動をして左右手を判別する運動イメージ方略優位であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手の心的回転課題において,手背画像の手の左右を判別する方略が,年齢によって異なること,及び中年期以降は課題遂行能力によって課題遂行方略が異なることの可能性について示すことができた.これは身体を基盤として発達する認知機能やボディイメージが加齢による影響を受けること,及びその時期は中年期ころから始まることを示唆するものであり,学術的意義は大きいと考える.さらに,手の心的回転課題をリハビリテーションに用いる場合は,対象者の年齢と課題遂行能力,及び提示する手画像の種類について,検討・調整する必要があるという知見を得ることができたため,社会的にも貢献しうる成果となった.
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