研究課題/領域番号 |
19K19806
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
堀田 一樹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (30791248)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 骨格筋 / 酸素 / ECMO / 酸素動態 / 高酸素血症 / 酸素クエンチング / 体外循環 |
研究開始時の研究の概要 |
体外循環は重度の呼吸・循環器障害を有する患者を救命してきた.その一方で,体外循環により起こりうる臓器の弊害についても少しずつ分かってきた.骨格筋は歩行をはじめとする日常生活の動作に必要不可欠であるが,体外循環を受けた患者の骨格筋が著明に減少することは既に知られている.本研究の学術的な問いは,「体外循環は骨格筋萎縮を引き起こすのか,引き起こすとしたらその要因は何か」である.本研究では,体外循環中の非生理的な循環・酸素動態が,骨格筋のアポトーシスを引き起こす可能性について検討するために,新しい体外循環動物モデルを用いて,体外循環中の骨格筋毛細血管レベルでの循環・酸素動態を明らかにする.
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研究成果の概要 |
体外式膜型人工肺(ECMO)は,重篤な呼吸循環障害に対する救命措置として用いられている.本研究の目的は,ECMO管理中の骨格筋における酸素動態を明らかにすることである.Sprague Dawleyラット頸静脈に脱血管,頸動脈に送血管を設置し,ポンプを用いて脱血した血液をECMOで酸素化し再び生体内に血液を戻した.ラット前脛骨筋を露出し,リン光クエンチング法により間質内の酸素分圧を計測した.人工肺を設置しないsham群と比較した結果,骨格筋の酸素分圧はECMO群とsham群の間に差を認めなかった.以上のことから,ECMOにより動脈血は酸素化するが骨格筋には影響しないことが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ECMOは重症な呼吸循環不全患者を救命する最後の砦である.救命された後の臨床的問題として,日常生活への復帰が骨格筋萎縮によって阻害されることである.骨格筋の低酸素あるいは高酸素は,日常生活の自立を阻害する因子であり,ECMOは動脈血を高酸素化する.本研究により,ECMOは骨格筋の近藤先生には影響しないことが明らかとなった.したがって,ECMO管理によって生ずる筋萎縮は酸素動態以外の炎症や酸化ストレスなどが影響している可能性がある.
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