研究課題/領域番号 |
19K19828
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 敦子 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (60529147)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 肥大型心筋症 / 心不全 / 運動生理学 / 交感神経活性 / 心拍出量 / 心臓リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
【背景】肥大型心筋症(HCM)は、有病率0.4%と稀ではない疾患であり、突然死の原因にもなるため無酸素運動は禁忌とされるが、近年、有酸素運動の可否について注目されている。【目的・方法】HCM患者に対する前向き研究を行い、通常負荷と低負荷の心臓リハビリテーション(心リハ)を150日間行い、その安全性と有効性を、左室拡張能・心不全・不整脈・心肺機能・交感神経活性の指標から調査する。【意義】日本では海外と異なり、HCM患者に心リハを行う土壌がある。HCM患者への運動負荷の安全域を明らかにすることで、HCM患者に対する日常生活の運動指導を可能にし、予後を改善させる。
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研究成果の概要 |
肥大型心筋症は、運動によって左室内閉塞が惹起される患者が全閉塞性肥大型心筋症の中で3割に及ぶと報告されている。運動によって惹起される閉塞は本来運動によって上昇する心拍出量を低下させ、めまいや失神、突然死などの症状の原因になりうる。本研究によって、非侵襲的心拍出量計を用いて肥大型心筋症患者の運動中の心拍出量(cardiac output, cardiac index, stroke volume)を測定した。その結果、非閉塞性肥大型心筋症患者では、閉塞性肥大型心筋症と比較して、閉塞が起こるまえの早期にstroke volumeが上昇しないことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動誘発性の肥大型心筋症を検証する機会は多くの病院で少ない。運動負荷を安全にかけられるかどうか、未だに意見がわかれているところであり、ガイドラインでも競技スポーツは禁止となっている。本研究によって、運動誘発性の閉塞性肥大型心筋症患者は、運動中に非侵襲的心拍出量計を用いて安全に運動負荷をかけられる可能性がある。つまり、通常の心臓リハビリテーションを、簡単なモニターで行い、一回心拍出量が低下する段階で、症候性となる前に運動を中止することが可能となる。
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