研究課題/領域番号 |
19K19871
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小坂 祥範 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (10835242)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | GABA(γ―アミノ酪酸) / KCC2(K, Cl, 共輸送体) / 神経障害性疼痛 / 疼痛行動評価 / 脛骨神経 / 脊髄後角 / ミクログリア / 自走式回転ケージ / GABA / KCC2 / 疼痛行動検査 / 自走式回転式運動具 / K+, Cl- 共輸送体(KCC2) / 神経変性と再生 / allodynia / tibial nerve / exercise therapy |
研究開始時の研究の概要 |
神経損傷や炎症に引き続いて発症する神経障害性疼痛は罹患率が高く、QOLの低下を招き、世界規模の健康問題である。神経損傷に引き続きおこるγ-アミノ酪酸(GABA)の機能異常が疼痛発生と慢性化の原因であるという考え方が有力であるが、未解決の問題が多い。そこで、本研究では、疼痛の発生及び慢性化メカニズムを解明するために、ヒトの疾患に近い、坐骨神経の一枝である脛骨神経損傷モデルマウスを作成し、GABA伝達機構の異常とその上流シグナルを詳細に解析するとともに、GABA伝達関連遺伝子改変マウスを用いた疼痛閾値の変化を検討する。さらに、神経障害性疼痛のための治療法として、新たな運動療法の可能性を見出す。
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研究成果の概要 |
坐骨神経痛をはじめとする神経障害性疼痛は、世界規模の健康問題である。しかし、その詳細なメカニズムに関して不明の点が多く、治療に結び付く結果も知られていない。本研究は、この不明な点を解決し、治療法の開発を目指すことを目的として研究を行った。脛骨神経の結紮または切断によりモデルマウスを作製し、次の事を明らかにした。。 ①長期間持続する神経障害性疼痛モデルマウスを確立した。②神経障害性疼痛発症と慢性化の基盤にGABAの機能異常がある。③継続した運動療法を加えることで、疼痛の軽減につながる。④ミクログリアの活性化抑制が運動療法の作用点の1つと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの、神経障害性疼痛モデルは2か月以内に疼痛閾値が正常化するため、厳密な意味での慢性疼痛のモデルではなかった。今回の脛骨神経結紮モデルは、3か月以上にわたって疼痛閾値が低い状態を維持できるので、臨床症例に近いモデルマウスとなり、利用が広まると考えられる。 運動療法が疼痛改善効果があることは、臨床的には知られていた。しかしながら、完全に慢性化する動物が確立されていなかったために、モデルでの再現はされていない。その意味で、最初の例となる。さらに、その改善にミクログリアの活性化抑制が示されたことから、治療のメカニズムの一端が明らかにされたことになり、応用が広がると期待される。
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