研究課題/領域番号 |
19K19907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 浩 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (10732901)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脊髄介在ニューロン / 神経可塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ウイルスベクターを利用した神経ネットワーク解析や解剖学・行動学的解析を駆使して、脊髄介在ニューロン(INs)を介した末梢からの感覚入力が運動機能に及ぼす影響を明らかにする。具体的には、一側四肢から生じる固有感覚を同側もしくは対側小脳に伝達するそれぞれの脊髄INsの機能を神経回路特異的に阻害することにより、運動機能がどのように変化するのかを明らかにする。そして新規運動学習および中枢神経損傷後の運動機能回復の神経基盤の確立につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
胸髄に位置する脊髄介在ニューロン(INs)の一部は、同側および対側の腰髄領域に神経軸索を投射していること、そしてこれら神経細胞のうち主に対象足と同側に位置している脊髄INsのみが後肢の運動機能および中枢神経損傷後の機能回復に寄与していることが明らかとなった。また、神経細胞タイプごとの軸索投射パターンを確かめた結果、同じ胸髄に位置する脊髄INsであっても腰髄への投射パターンが異なること、またこれまでの結果と同様にいずれの神経細胞タイプにおいても同側および対側の腰髄領域に神経軸索を投射していることが確かめられた。これら異なる神経細胞集団は行動学的解析においても、機能的な違いが観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正確な動作の遂行には、運動コマンドの適切な出力と感覚情報の入力制御が重要である。脊髄INsは、この両者を担っている部分のひとつでありその神経基盤を明らかにすることは、運動の学習メカニズムのみならず中枢神経損傷後の機能回復メカニズムの解明にもつながる。これまで正常な状態では、胸髄に位置する脊髄INsは後肢の運動機能には関わっていないと考えられていた。しかし、本成果よりある種の脊髄INsは同側の後肢機能の一部を制御しており、それらは中枢神経損傷後に失われた機能の一部を代償することが明らかとなった。これらの成果は、中枢神経損傷後の機能回復を促す治療法の開発にもつながるものであると考える。
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