研究課題/領域番号 |
19K19936
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
本多 武尊 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術支援センター, 主任研究員 (20761307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 内部モデル / 長期記憶 / 小脳 / 運動学習 / 順モデル / 逆モデル / 短期記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
プリズム適応課題において学習される短期記憶がどのような条件で長期記憶へ移行するのかについてヒトの行動実験で明らかにし(実験研究)、その結果に基づいて、理論的枠組みを構築し、クリニカルインデックスを開発する(理論研究)。このインデッ クスを使用して小脳に障害のある患者の短期記憶形成機能や長期記憶形成機能について分布を調査し記憶に関する小脳の障害を明らかにする(臨床研究)。以上の融合的 研究により短期記憶の長期記憶への移行のメカニズムを解明することを目的とする。長期的に効果のあるリハビリテーションの開発の基礎的知見になることが期待される。
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研究成果の概要 |
小脳は学習を行うことで内部モデルを構築し、日常の運動をスムーズに行うことを実現していると考えられている。その内部モデルを長期記憶として形成することによって、より安定的な運動を実現していることを示唆した。具体的に、本研究で、(1)プリズム適応課題を応用したヒトの行動実験を行い、時間経過に伴って既に学習した内部モデルが学習前の内部モデルの状態に戻ることはなく、学習した内部モデル情報を維持していたことを発見した。 (2)理論的枠組みを構築し、小脳の内部モデル機能を明らかにした。(3)この理論的知見に基づいたクリニカルインデックスを開発し、脊髄小脳変性症患者の小脳の運動学習機能について計測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小脳の内部モデル情報は外部情報によって更新されること、そして、外部情報がない状況では時間に伴った変化は観察されなかったという本研究の成果により、小脳は多様な内部モデルを学習する柔軟性を持ち、さらに、学習した内部モデルを維持する頑健性をも持つことが示唆され、小脳の内部モデル機能の理解が進んだ。また、脊髄小脳変性症による小脳への影響によって、軽症時には内部モデルの学習低下が見られる一方で内部モデル情報は維持され、そして、重症時にはその内部モデル情報も失われ始めることから、この知見に基づいたリハビリテーションの開発などの貢献が期待される。
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