研究課題
若手研究
歩行動作は,日常生活の基本的な運動でありながら一般的な指標が確立されていない.歩行を評価する有効的なツールとして足底圧分布データは,医療・臨床現場で個人内の評価において用いられているが,個人間を評価するための標準的なデータ指標は確立されていない.本研究は,年齢,形態および体力レベルを考慮した歩行パラメーターおよび足底圧分布の無次元量を明らかにし,新たな歩行評価システムの開発を目的とする.本研究の結果は,幼児から高齢者までの普遍的な足底圧分布パターンを示すことにより,「正常な歩行,正しい歩き方」とは何かという疑問に新たな知見を提供し,現代社会の抱える健康問題の改善に対して大きな貢献が期待できる.
本研究は,歩行中の時空間パラメーター,アーチ構造および足底圧分データを取得し,無次元量で表現された時空間パラメーターと足底圧分布の関係から成長に伴う歩行の変化と歩行の質の評価を試みることを目的とした。被験者は男女児童及び生徒944名を対象とした.歩行中の足底圧分布、動作を計測し、発育を考慮した歩行動作の評価を行なった。その結果,発育に伴う足底圧分布パターンは,後足部、前足部位の3部位での圧力の変化がみられた.足圧中心の移動速度は内側縦アーチ構造の発育には影響しなかった.歩行中の補正された時空間パラメーターは年齢間の差が見られなかったことから,4歳で既に成人の歩行を獲得していることが示唆された.
歩行中の普遍的な足底圧分布パターンを確立することは,運動実践指導やトレーナーの所見だけではなく,ある一定の基準に沿った歩行評価のエビデンスが明らかになる.そのために歩行速度,時空間パラメーターを無次元量によって評価し,更に足底圧分布変数を合わせて分析することにより新たな評価方法が確立できる可能性がある.普遍的な足底圧分布パターンの定量化から平均値から個人のデータがどれくらい離れているのか,またどのようにすれば歩容が変えられるのか,具体的な目標値を設置することを可能にすると考えられ、本研究の結果は医療やリハビリテーションなど治療のための新たな歩行評価の可能性が期待される。
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