研究課題/領域番号 |
19K20134
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
中島 健輔 長崎国際大学, 薬学部, 助教 (90762162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | うつ病 / BDNF / 末梢組織 / 穀類 / 和漢薬 / チンピ / 柑橘類 / 脳由来神経栄養因子(BDNF) / 未精製小麦 / 亜鉛 / ACHN細胞 / アワ / 血清BDNF濃度 / 脳由来神経栄養因子(BDNF) |
研究開始時の研究の概要 |
「脳由来神経栄養因子(BDNF)の減少が、うつ病の発症につながる」という神経可塑性仮説が提唱され、注目を集めている。BDNFは“脳由来”という名称ながら、脳だけでなく末梢組織においても産生される。このことから研究代表者は、末梢組織におけるBDNFの産生促進が、うつ病の予防・改善につながると考え、“末梢性BDNF産生促進物質のin vitro探索アッセイ系”を構築している。 本研究では、このアッセイ系を用いて、末梢組織におけるBDNFの産生を促進する物質を見出し、そのうつ病予防・改善効果を検討する。本研究の推進は、うつ病予防手段の確立および新規抗うつ薬の創製に貢献するものと期待される。
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研究成果の概要 |
脳内において脳由来神経栄養因子(BDNF)の産生を促進する物質は、うつ病予防・改善作用を示す。BDNFは脳だけでなく末梢組織においても産生され脳へと移行するため、末梢でBDNFの産生を促進する物質は抗うつ作用を示すと考えられる。本研究では、ヒト腎がん細胞ACHNを用いてアワなどの穀類および数種の柑橘類の果皮・果肉のBDNF産生促進作用を明らかとした。また、細胞実験で効果を示した漢方薬の経口投与がラット血中BDNF濃度を上昇させることも見出した。本研究で見出された物質は末梢組織に作用することで抗うつ作用を示すため、中枢移行性を考慮せずに臨床応用できる新規抗うつ薬の開発に貢献すると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、中枢性疾患であるうつ病の克服を末梢から試みる点に新規性がある。うつ病をはじめとする中枢性疾患の薬剤開発は、被験物質が中枢へ十分に移行しないために中止される例が多い。しかしながら本研究で見出された物質は、末梢組織に作用することで抗うつ作用を示すため、脳移行性を考慮することなく臨床応用できる。またBDNFはストレスにより低下することも知られており、BDNFの産生を促進する食材はうつ病の予防に有用と考えられる。本研究の結果、数種の穀類・柑橘類のBDNF産生促進作用が明らかとなった。これらの食材のうつ病予防効果を明らかにすることができれば、食による簡便で安全なうつ病予防手段の構築につながる。
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