研究課題
若手研究
Palmaria mollis (Pacific dulse)は、近年北米を中心に食品として注目を集めている海藻である。高い栄養価(高タンパク質・高ミネラル)を含み、その消費は年々増加している。私はオレゴン州立大学との共同でこの海藻に強力な抗肥満作用(内臓脂肪の減少・脂肪肝および脂質異常症の改善)を、肥満ゼブラフィッシュ・マウスを用いて発見した。本研究では、ゼブラフィッシュおよびマウス脂肪細胞系を用いて、このPalmaria mollisに含まれる抗肥満成分およびその作用メカニズムを明らかにする。
本研究は、ゼブラフィッシュおよびマウス脂肪細胞系を用いて、紅藻Palmaria mollis(PM)に含まれる抗肥満成分およびその作用メカニズムを明らかにすることを目的とした。PMを様々な溶媒で画分化し、内臓脂肪蓄積をよく抑制する抽出物の同定を行った。その後、さらに10画分の画分調製を行い、その後ゼブラフィッシュを用いて検討、その中で最も効果のあったものに含まれる成分をLC-MSやNMRを用いて同定した。この成分の抗肥満作用メカニズムは、これまで私が報告したPMと同様にppargの発現を調節し脂肪細胞分化に影響を及ぼしていることが明らかとなった。
肥満は生活習慣病の重大なリスク因子であり,その解決に向けては世界的にも大きな関心が寄せられている。肥満治療では食事療法・運動療法が主となるが,これらの効果が期待できない場合,抗肥満薬による治療が行われる。しかし,ほとんどの抗肥満薬には副作用が伴っており,副作用が少ない天然物による肥満治療への期待が大きくなっている。本研究では、天然物である紅藻Palmaria mollisに含まれている成分の抗肥満作用メカニズムを明らかにしたことにより、機能性食品として期待できる。
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