研究課題/領域番号 |
19K20151
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 長野県立大学 |
研究代表者 |
新保 みさ 長野県立大学, 健康発達学部, 講師 (90827247)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 食事療法 / ナッジ / 食器 / 糖尿病 / 栄養教育 / 介入 |
研究開始時の研究の概要 |
栄養指導では、米飯量を抑える時に小さめの茶碗を使うよう勧めることがよく行われている。しかし、食事量に対する食器の縦断的な介入効果は調べられておらず、その科学的根拠は乏しい。そこで、本研究の問いは、「食事の適量管理に、食器はどのような影響を与えるか」とした。本研究では、食事の中でも米飯に着目し、研究1では茶碗に焦点を当てて米飯量に関連する要因を検討し、研究2では無作為化比較試験により米飯量の管理に対する茶碗の効果を検証する。これらの研究を通して、食事量の管理に伴う負担を抱えている糖尿病患者や肥満患者をはじめ、健康維持を行う多くの人にとって有用な科学的根拠を作り出すことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,食事の中でも日本人の摂取エネルギー量の大半を占める米飯に着目し,米飯量の管理における小さな茶碗の効果を検証し,食事量の管理に伴う負担を軽減する方法の提案を目指した。介入の結果,1か月後には,小さな茶碗を使用した介入群の方が対照群よりも体重とBMIが減少したものの,3か月後には差がみられなかった。しかしながら,介入群は3か月後にも米飯摂取量を遵守している者が多く,有意な差はみられなかったが,今後の継続意思が高い者も多かった。つまり,小さな茶碗の使用は継続しやすい食事量の管理方法と考えられるものの,体重への効果は短期的であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,小さな茶碗を日常生活で用いた際の1か月および3か月後の体重への効果を示すことができた。これまで,食器の大きさと盛り付け量や喫食量との関連が報告されてきたものの,実験的な手法による1回の食事で検討されており,日常生活において継続的に小さな食器を用いた場合の効果は調べられていなかった。日本においても男性の肥満者の割合は増加傾向にあることから,簡単で効果的な食事管理方法を検討することは重要である。小さな茶碗を与えるという介入は,人件費やコストが高くない取り組みやすい介入である。本研究の結果はエビデンスに基づく効率的かつ効果的な栄養教育の提案へと繋がる。
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