研究課題
若手研究
世界的に内臓脂肪蓄積を基盤とするメタボリック症候群が蔓延する中、その対策は喫緊の課題である。内臓脂肪蓄積を抑制するための食事療法の基盤はカロリー制限であるが、日常臨床における奏効率は十分とは言い難い。研究代表者は内臓脂肪蓄積を促進する食事由来の因子として塩分過剰摂取に着目した。本研究においては、塩分過剰摂取が内臓脂肪蓄積を促進し、臓器障害を進展させるという仮説を検証する。塩分過剰摂取によってメタボリック症候群が増悪する機序を解明し、塩分の摂取量の適正化による内臓脂肪蓄積と臓器障害進展の抑制という新たな観点からの肥満症の予防・治療法への応用展開を目指す。
内臓脂肪蓄積を基盤とするメタボリック症候群が蔓延する中、その対策は喫緊の課題である。研究代表者は肥満症の発症・進展に関与する食事由来の因子として食塩過剰摂取に着目し、マウスモデルを用いて検討した。高脂肪食によって肥満を誘導するマウスモデルにおいて、食塩過剰摂取を伴った場合の変化を検証した結果、脂質と食塩の過剰摂取によって、体重増加は抑制されるにも関わらず、精巣周囲脂肪組織の増加、インスリン分泌不全による耐糖能障害を引き起こすことを明らかにした。本研究の結果、糖尿病やメタボリック症候群の発症・進展予防において減塩療法が重要であることが示唆された。
食塩過剰摂取の肥満や糖尿病に対する影響は明らかになっていない。今回の私達の検討によって、脂質の過剰摂取に食塩過剰摂取が伴うと、体重増加は抑制されるもののインスリン分泌不全による耐糖能障害の誘因になることが明らかとなった。ヒトにおいても同様の影響があるかについては今後の研究が望まれる。本研究成果に基づき、食塩摂取量の適正化による内臓脂肪蓄積と臓器障害進展の抑制という新たな観点からの減塩療法の有用性が確立することに繋がることが期待される。
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Plos One
巻: 16 号: 3 ページ: e0248065-e0248065
10.1371/journal.pone.0248065