研究課題
若手研究
多価不飽和脂肪酸は油の構成要素であり、食物を介して摂取しなければならない必須の栄養素である。多価不飽和脂肪酸は主にオメガ6とオメガ3に分けられる。現代では、オメガ6多価不飽和脂肪酸を含む調理油などの摂取増加やオメガ3多価不飽和脂肪酸を豊富に含む魚などの摂取減少に伴い、食の高オメガ6/低オメガ3化が進行している。このような食生活は不安障害の発症リスクを高めることが報告されているが、どのようにして高オメガ6/低オメガ3食が不安障害を引き起こすかについては不明な点が多い。本研究ではドパミンという神経伝達物質に着目して、その仕組みを解明することを目指す。
必須脂肪酸はn-6多価不飽和脂肪酸とn-3多価不飽和脂肪酸に分類され、いずれも食物を介して摂取しなければならない。現代の多くの国々においてみられる食事中の多価不飽和脂肪酸の高n-6 /低n-3状態が不安行動を増加させる機序を明らかにするため、マウスを用いた解析を実施した。本研究により、神経伝達物質の一つであるドパミンの増加および発生期におけるドパミン作動性ニューロンの過剰産生が、高n-6 /低n-3食摂取に伴う不安行動の増加を引き起こす原因である可能性が示された。
多くの国々において、n-6多価不飽和脂肪酸を豊富に含む植物油などの摂取増加、およびn-3多価不飽和脂肪酸を豊富に含む魚などの摂取減少が進行しており、食中多価不飽和脂肪酸の高n-6 /低n-3化は世界的に深刻な問題となっている。このような食生活の変化が進行する現代社会において、本研究は不安症の発症リスクの低下と新規治療法の開発に向けて重要な基礎的知見を提供しうるものと期待される。
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