研究課題/領域番号 |
19K20196
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
片岡 孝介 早稲田大学, 総合研究機構, 次席研究員(研究院講師) (60822260)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 内在性カンナビノイド系 / CB1受容体 / 加齢性記憶障害 / オートファジー / ミトコンドリア / マイトファジー / 海馬 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
先進国で高齢化が加速度的に進む中で加齢性記憶障害の発症機構の研究は重要性を増している。脳内で多く発現しているCB1受容体は、加齢性記憶障害に深く関与することが知られているが、その機構には不明な点が多い。助成対象者は、CB1受容体がミトコンドリアの品質を管理することで海馬神経細胞の機能を維持していると予想している。本研究では、CB1受容体によるミトコンドリア品質管理機構を解明することで、今後増加すると予想される加齢性記憶障害の機構解明や予防戦略の確立につなげることを目的としている。
|
研究成果の概要 |
内在性カンナビノイド系は、加齢に伴う記憶・学習能力の低下に関与している。一連の既往研究から、内在性カンナビノイド系を構成するCB1受容体は生涯に渡る記憶・学習能力の保持に重要であると考えられているが、そのメカニズムは不明である。本研究では、神経細胞の機能維持に重要なミトコンドリアの品質管理機構におけるCB1受容体の役割を解析した。その結果、(1) CB1-KOは成熟期特異的にミトコンドリアオートファジー活性が低下していること、(2) 成熟期のCB1-KOではミトコンドリアの伸長性・相互接続性が顕著に増加していることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先進国で高齢化が加速度的に進む中で老化研究の重要性は高まりつつある。超高齢化社会が進行している日本において、2020年には認知症の患者が600万人に達すると予想されている。加齢性記憶障害は、高齢者自身やその家族のQOLにも関わる重要な問題であるが、少子化に伴って生産年齢人口が減少の一途辿る日本において、経済成長という観点からも重要な課題である。脳内で最も発現しているGタンパク質共役型受容体であるCB1受容体は、加齢性記憶障害の有望なターゲットの一つである。本研究成果は、内在性カンナビノイド系の加齢性記憶障害の抑制機構の一端を明らかにし、加齢性記憶障害の予防・治療戦略の構築に資すると期待される。
|