研究課題/領域番号 |
19K20286
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
椋木 大地 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (90742289)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 高精度 / 再現性 / 行列計算 / 疎行列反復法 / BLAS / 超並列 / 浮動小数点演算 |
研究開始時の研究の概要 |
コンピュータによる科学技術計算で主として用いられる浮動小数点演算は有限桁であり,演算結果には真の値に対して丸め誤差が生じうる.また結合法則が成り立たないため計算環境に依存して計算順序が変わると計算結果が丸め誤差レベルで変わりうるため,同じ計算結果を再現できないことがある.これらの特性は特にスーパーコンピュータ上で実施されるような大規模かつ複雑な数値計算において,信頼性の担保やソフトウェア開発・保守の障壁となりうる.本研究では科学技術計算の基本演算となる行列計算において,計算の高精度化と再現性を実現し,かつ最新のスーパーコンピュータにおいて高性能を達成できるソフトウェアを開発する.
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研究成果の概要 |
本研究ではスーパーコンピュータ等に採用される超並列アーキテクチャを対象に,計算精度の高精度化と計算結果の再現性を保証可能な,CPUとGPUに対応した基本線形代数演算ライブラリ(いわゆるBasic Linear Algebra Subprograms, BLAS)の開発を行った.本研究では主として尾崎スキームに着目し,高精度かつ再現可能なBLASの高性能実装を開発し,疎行列反復ソルバーへの応用を示した.さらに応用として,低精度演算器(Tensor Cores)を用いた単精度/倍精度行列積の実装,そして単精度/倍精度行列積によるbinary128型4倍精度行列積の実装を提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CPUおよびGPUにおいて高精度かつ計算結果の再現が可能なBLASルーチンを実現し,疎行列ソルバーへの応用を示した.既存手法と比べて性能および実装が容易であり,応用数理分野での応用も期待できる.またAI向け低精度演算器を単精度・倍精度の行列計算に応用可能であることを示した.今後のハードウェアデザインへのインパクトも期待できる.
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