研究課題/領域番号 |
19K20434
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2022) 京都大学 (2020-2021) 東京農工大学 (2019) |
研究代表者 |
沢田 こずえ 名古屋大学, 生命農学研究科, 特任助教 (60795285)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 土壌微生物 / 土壌有機物 / プライミング効果 / 森林生態系 / 微生物群集組成 / 多様性 / アンプリコンシークエンス / 同位体プロービング法 |
研究開始時の研究の概要 |
大気中炭素量の二倍以上を保持する土壌炭素量が将来どのように変動するかを予測することは、今後の気候・大気環境変動を予測する上で極めて重要である。本研究では、近年急速に発展してきた同位体分析と分子生物学的手法を応用し、日本森林生態系において、森林型(天然林と人工林)や土壌型(褐色森林土と黒ぼく土)が、炭素・窒素添加による有機物分解促進効果(プライミング効果)と土壌微生物の群集組成や多様性に与える影響を明らかにする。以上により、土壌炭素量を増加させるための森林管理法を考案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、森林土壌において、菌根菌タイプ(外生菌根菌とアーバスキュラー菌根菌)の違いや土壌酸性度、窒素・リン制限の違いが、微生物の群集組成や多様性と炭素添加による有機物分解促進効果(プライミング効果)に与える影響を解明した。 その結果、菌根菌タイプの違いは、微生物群集組成や多様性に大きく影響を与えるが、プライミング効果には影響しないことが解明された。日本の強酸性土壌では、プライミング効果が抑制された。また、リンが欠乏する熱帯林土壌では、リンマイニングによるプライミング効果が、窒素が欠乏する温帯林土壌では、窒素マイニングによるプライミング効果が起こった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プライミング効果は、菌根菌タイプの違いや微生物群集組成・多様性の違いよりも、土壌酸性度の違いや窒素・リン制限の違いの影響の方が大きいことが分かった。つまり、樹種選択による微生物群集組成の改変は、プライミング効果にはあまり影響しないかもしれない。一方、土壌酸性化は有機物分解を抑制しうること、適切な養分バランスが森林土壌の炭素蓄積に重要であることが示された。以上の成果は、森林土壌における炭素動態の予測精度の精緻化と、CO2放出量の抑制や土壌炭素量の増加に向けての適切な管理と利用法の考案につながる重要な成果である。
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