研究課題/領域番号 |
19K20468
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 香川大学 (2020-2022) 創価大学 (2019) |
研究代表者 |
中國 正寿 香川大学, 農学部, 博士研究員 (90822643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | マイクロプラスチック / ガスクロマトグラフィー / 熱分解法 / 微量分析 / 定量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
河川や海洋などにマイクロプラスチック(MP)が広く分布し,生態系への影響などから,それらの分布の把握が環境問題の重要な一課題となっている.従来の分析手法では,ピックアップできるMPのサイズに限界があり,個数単位での評価にとどまっていたことから,MPの量的分布の過小評価の原因となり得た.そこで本研究は,ガスクロマトグラフィー質量分析計と熱分解装置を使い、MPの定性および定量的分析する手法を提案する.この手法では,どのような種類が,目に見えないほど小さなプラスチック片を含めて,どれくらいの濃度で分布しているのかという,これまで議論が難しかった視点からMPの分布の把握を可能とすると期待される.
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研究成果の概要 |
本研究では、熱分解-GC-MSを用いたマイクロプラスチックの分析法の確立のための基本的な検討を行った。はじめに,いくつかの温度条件のパイロホイルを用いて生成物の生成量を調べた.その結果,590℃の条件下で最も高い生成物収量が得られた。堆積物との混合状態では,いずれの条件でも相関が大きく崩れることはなく、熱分解生成物の量はポリエチレン量に比例した。紫外線照射実験では、30日後にn-アルカジエン、n-アルケンの量が増加する傾向を示した。また、炭素数の少ない炭化水素の比率も30日後に増加し、その後減少した。このことから、紫外線照射によるプラスチックの分子構造の劣化にピークがある可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FT-IRにかけるためには単離(ピックアップ)を必要とした.一方、熱分解GC-MS分析では、熱分解生成物をGCカラム部で単離するため、プラスチック以外との混合物(生体試料や堆積物試料中)であっても、 複雑な前処理をすることなくMPの分析が可能である. 本研究で,熱分解生成物とプラスチック量との間位に相関関係が見出されたことから,これまで,単離することのできなかったマイクロプラスチックの分析が,熱分解-GC-MSを用いて可能となると期待される.この応用は,水圏生物のプランクトンレベルにまで,発展させることができるため,生態系のマイクロプラスチックの生物濃縮メカニズムなどを追うことも可能だろう.
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