研究課題/領域番号 |
19K20477
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 茨城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
澤井 光 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 助教 (30784962)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 汚染土壌 / ヒ素 / フッ素 / キレート剤 / キレート洗浄 / 化学的逐次抽出法 / 陰イオン性有害元素 / 湿式洗浄 |
研究開始時の研究の概要 |
生分解性キレート剤による化学的湿式洗浄(キレート洗浄)は,省コスト・省エネルギーのもとで土壌中の有害元素を効果的に除去できることから,陰イオン性有害元素への適用が期待される。本申請研究では,従来明らかでなかった土壌鉱物-キレート剤-陰イオン性有害金属の相互作用を吸脱着解析や化学形態分析の手法から定量的に明らかにするとともに,自然由来の陰イオン性有害元素を含む土壌に最適な洗浄のプロセス条件を探索する。本研究成果の確立により,今後大量発生が予想される低レベル汚染土壌やその他の廃棄物による環境汚染に普遍的に対応できる浄化技術の構築が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では,土壌鉱物-キレート剤-陰イオン性有害金属の相互作用を明らかにするとともに,陰イオン性有害元素を含む土壌に最適な洗浄条件を探索した。汚染土壌中のヒ素,フッ素などの陰イオン性有害成分は,炭酸塩,鉄酸化物などの溶解に伴って溶液中に放出されるが,酸性条件では鉱物表面が正の電荷を帯びているため,再吸着によって除去が制限された。一方塩基性条件や金属イオンとの錯生成定数の小さなキレート剤が共存する条件では,これらが形成する表面錯体が鉱物表面の電荷を負に大きくし,ヒ素,フッ素の再吸着を妨げる働きを示し,有利に洗浄除去できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,土壌環境基準の不適合が著しく多いヒ素,フッ素等の陰イオン性有害成分による土壌汚染リスクを根本的に解消する手法としてキレート洗浄を検討した。土壌中でキレート洗浄によって取り除かれやすい形態のヒ素,フッ素を特定するとともに,キレート剤水溶液中のヒ酸イオン,フッ化物イオンの吸脱着挙動を明らかにし,得られた成果を最適な洗浄条件の決定にフィードバックすることができた。本研究の成果は,発生量が膨大な自然由来陰イオン性有害成分による土壌汚染に対して,より効果的な洗浄処理プロセスの開発に繋がると期待される。
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