研究課題/領域番号 |
19K20486
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
|
研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
加部 泰三 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 主幹研究員 (00768864)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | バイオマス由来プラスチック / 放射光X線 / 時分割測定 / 溶融紡糸 / 球晶 / 高分子材料 / 構造と物性 / 結晶形成メカニズム / 多糖誘導体 / 高次構造形成 / 放射光 / リアルタイム測定 / 同時測定 / 結晶 / 多糖類 / 多糖類エステル / カードラン / 高次構造 / 結晶化挙動 / 広角X線回折 / 小角X線散乱 / β1,3グルカン / 繊維 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で取り扱うβ1,3グルカンは、微生物によって作られ、化学的な処理を行うことでプラスチック(繊維やフィルム)として利用することが可能である。このプラスチックは糖、あるいは光合成によって水と二酸化炭素から作られるため持続可能な材料であるといえる。これらを実用化可能な材料、高性能な材料にしようとすると「結晶化」の状態や結晶化が起こるメカニズムを解明することが必要になる。本研究では、β1,3グルカンエステル(β1,3グルカンをプラスチックにしたもの)を、日本が世界に誇る大型放射光施設SPring-8で分析し、結晶化を解明することで高性能なバイオマス由来プラスチック材料を開発することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
最近、持続可能な資源であるバイオマスを原料とするカードランプロピオネートというプラスチックが開発された。これは、微生物が生産する物質を化学反応させて得られる、持続可能なプラスチックである。これらを繊維やフィルムといった形状で活用しようとすると「結晶化」という現象を解明する必要がある。本研究は、放射光施設から生成される強力な放射光X線を用いることで、繊維やフィルムなどの作製に必要不可欠な「結晶化」のメカニズム解明を試みた。この結果、カードランプロピオネートの結晶ができる条件や、結晶ができる始める状態、成長する過程を観察することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、再生可能資源から生産されるバイオマス由来プラスチックの一種である、カードランプロピオネートの実用化に必須な情報である「結晶化」について、大型放射光X線を用いた分析を行うことで、結晶化を起こす条件や成長過程の観察を行った。この「結晶化」の過程は、このバイオマス由来プラスチックを実用化するためになくてはならない情報である。本研究は、石油資源の取れないわが国が、石油に依存した社会から脱却し、持続可能な社会を形成するための一翼を担うと自負している。
|