研究課題/領域番号 |
19K20500
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
渡辺 謙太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (20725618)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 海草藻場 / 大気CO2吸収 / ブルーカーボン / CO2フラックス / アマモ / 沿岸域 / 二酸化炭素吸収 / 気候変動 / 藻場 / 生態系機能 / 環境計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は,沿岸沈水植物による水塊を介さない直接的CO2吸収について,以下の3点を明らかにすることである.1)普遍性:構成種(海草・大型海藻から複数種を選定)や気候帯(亜寒帯~亜熱帯)の異なる植物群落において一般性を検証する.2)規模:沿岸沈水植物の直接的CO2吸収による大気中CO2吸収フラックスを定量化し,大気-水塊間CO2交換フラックスと比較する.3)規定要因:生息深度,季節変化,日周期変動等の環境要因が直接的CO2吸収に与える影響を明らかにする.本研究では,現地調査を主体として放射性炭素同位体法およびフローティングチャンバー法により,沿岸沈水植物による直接的CO2吸収の定量化を行う.
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研究成果の概要 |
沿岸植生域が大気中CO2の正味の吸収源となることが近年分かってきた.本研究では,藻場における大気CO2吸収過程として,海面に露出した葉部からの直接的CO2吸収を実測する.海草の光合成を阻害しない透過フローティングチャンバーを開発し,海草場のCO2ガス交換量を実測した.計測の結果,亜寒帯と温帯の海草藻場において,夏季に日スケールでCO2吸収源になっていることが分かった.一方,本研究では明確な直接的CO2吸収をCO2交換量として検出することはできなかった.海草による直接的CO2吸収がCO2交換量に顕著に寄与するかどうかは,藻場の特徴(葉の露出時間や露出長等)に依存する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海草等が大気に露出した際の直接的CO2吸収という未知の炭素フローの実測を行ったことは,学術的・社会的に意義のある成果と考えている.沿岸植生による大気CO2除去機能は気候変動緩和策への活用が期待されているが,大気CO2除去の過程には未だ評価できていない未知の炭素フローも残されている.ブルーカーボン生態系とも呼ばれる沿岸植生を大気CO2除去の目的で社会的に活用していく上では,こうした過程の解明を進めていく必要がある.
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