研究課題/領域番号 |
19K20511
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
江口 昌伍 福岡大学, 経済学部, 准教授 (00823973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | データ包絡分析法 / 中国 / 石炭火力発電所 / カーボンニュートラル / 地域間格差 / 石炭火力発電 / 発電効率性 / 二酸化炭素 / PM2.5 / エネルギー政策 / エネルギー / 効率性 / DEA |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化が深刻化する昨今において中国は世界最大のCO2排出国であり、その主要な要因の一つは、国内の発電量の大部分を石炭火力発電に依存していることが挙げられる。 本研究では、1998年から2011年までの中国国内の石炭火力発電所レベルのマイクロデータに基づいて、(1)中国国内の発電効率性にはどの程度格差が存在するのか?(2)発電効率性の改善がパリ協定などの環境政策目標達成にどの程度貢献し得るのか?(3)過去の発電効率性に関する技術進歩のトレンドを踏まえ、環境政策目標を達成するために、今後どの程度技術進歩が必要となるのか?について、データ包絡分析法のフレームワークを用いて定量的に分析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、中国の石炭火力発電所レベルでの発電データにメタフロンティアDEAを用いた分析フレームワークを適用し、発電効率性の評価と非効率性の要因を分析した。具体的には、発電所の規模や立地する地域の違い、発電所を運営する発電会社間でどれだけの発電効率性の差異が存在しているかを定量化することに成功した。また、発電所ごとのCO2やPM2.5などの環境負荷物質の排出データを考慮し、各発電会社がどの環境負荷物質の削減に注力すべきかも明らかにした。 加えて、先述のDEAフレームワークにLMDI法を組み合わせることで、効率性の経年変化がマスベースのCO2排出量の変化にどれだけ影響を与えているかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により明らかになった中国の石炭火力発電所の非効率性の要因を基に、世界最大のCO2排出国である中国が今後カーボンニュートラルを推し進めるにあたって、どのようなプランで火力発電所をスクラップしていくべきかという道筋を提案することができた。加えて、発電会社間での積極的な技術面や暗黙知の共有が発電効率性の改善には不可欠であることも示された。 また、本研究の学術的な意義としては、既存のDEAフレームワークを多層型のメタフロンティア構造に拡張することによって、分析目的に応じた非効率性の見える化が可能な分析フレームワークを提案したことにある。
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