研究課題/領域番号 |
19K20520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 みな子 (ヨシカワジェン) 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携教授 (70636646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 蚊防除 / 地域住民 / サイエンスコミュニケーション / シンガポール / 社会実装 / 国際観光地 / 観光地 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、感染症伝播の予防としての生殖システムを操作した蚊を生活圏に放虫する社会実装を地域社会が受容する決定に影響した要因を解明することを目的としている。感染症流行による人的・経済的・社会的な影響を受けやすい観光都市では、住民の理解と協力を得て対策が迅速に行われる必要がある。医学領域を越える研究が不足するなか、本研究は文献調査に加えて、感染症の流行阻止のため技術開発に注力するシンガポールにおいてフィールドワークを行い、事例から答えを紐解く。当局による社会実装の決定、争点、制度設計などの説明を試み、複数の学問分野が扱うリスクマネジメント、レジリエンス、態度と行動といった研究への波及効果を目指す。
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研究成果の概要 |
デングウイルス感染症は東南アジア地域をはじめとして世界各地で流行している。ヴォルバキア技術を用いて媒介蚊の繁殖を抑制する戦略が、発生源除去を基本とした蚊防除が長きにわたって実践されてきた国際観光地であるシンガポールにおいて試されることになった。本研究は行政が新技術の生活圏への導入に関して地域社会の支持をとりつけるためにどのような活動を実施したかを調査し、住民による新たな蚊防除方法の受容に寄与した要因を解析した。住民が持つ蚊による刺咬回避等の動機について質問票調査の統計解析により明らかにし、新技術の社会実装におけるサイエンスコミュニケーションの役割とそれを政治家が支える社会環境について考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化および国際的なヒト・物の移動等により、熱帯・亜熱帯地域で流行している蚊媒介によるウイルス感染症が日本においても流行あるいは定着するリスクが高まっている。高齢化が進む日本では、対策にあたる人的資源すなわち労働力の確保が難しいことから、新奇な技術を用いて生殖システムを操作した媒介蚊を放虫するといった蚊防除戦略を、予防対策として住民の生活圏において実装することが必要となる可能性がある。国際観光地であるシンガポールの社会実装の実例を考察した本研究は、予防対策を円滑に行うために行政が取り組む必要がある課題を浮き彫りにし、住民への情報提供における注意点について有用な情報をもたらす可能性がある。
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