研究課題/領域番号 |
19K20651
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2020-2022) 早稲田大学 (2019) |
研究代表者 |
磯村 朋子 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (20771926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 内受容感覚 / 社会相互作用 / 知覚 / 視線 / 身体感覚 / 内受用感覚 / 自他認識 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちが自己の身体状態を知覚する際、感覚入力は自己の身体内部や表面の受容器になされるにも関わらず、その知覚はしばしば他者との相互作用に基づいて形成される。しかし、他者のもつ「文脈」がそれに及ぼす効果や、それらの現象の背景にある神経基盤については不明な点が多い。そこで本研究では、特に身体内部の生理状態に対する感覚である内受用感覚に着目しながら「他者との相互作用がいかに自己身体感覚を変容させるのか」という問いにアプローチし、その現象とメカニズムを体系的に明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、他者の存在が自己の身体感覚に与える影響について検討した。特に、身体内部の生理状態に対する感覚である内受容感覚に着目して研究を実施した。研究1では、他者からの直視によって自己の心拍知覚の精度が向上することを示した。研究2では、他者との視覚体験の共有によって自己身体の生理的覚醒度の知覚の精度が向上することを示した。これらの結果から、人間の脳は、社会相互作用が生起しうる状況や文脈において自己の身体状態をより正確に知覚する仕組みをもつことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身体内部の生理状態に対する感覚である内受容感覚は、感情や身体的自己の成立に欠かせない感覚システムであり、認知神経科学などの分野において近年非常に注目を浴びている。自己の身体内部の感覚である内受容感覚が他者の存在によって促進されるという本知見は、内受容感覚の機能の理解を深めるだけでなく、人間の複雑な社会性を支える生理的メカニズムについても重要な示唆を与えるものである。将来的には、人間同士や人間とロボット間の円滑なインタラクションをサポートするシステムの開発にも貢献可能な知見であると考える。
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