研究課題/領域番号 |
19K20679
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山下 忠紘 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (00827339)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 曲率 / 血管平滑筋細胞 / マイクロデバイス / 配向性 / メカノバイオロジー / 細胞接着 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は周辺環境の立体形状を鋭敏に感知し、自らの機能や挙動を能動的に制御しているが、そのメカニズムの詳細はいまだに分かっていない。本研究は、細胞の接着面の曲率やその向きを自在に操作できる新しい細胞培養技術・可変曲面マイクロデバイスを開発し、変形する曲面上で細胞が周辺形状に適応する様子のリアルタイム観察を実現する。このようなデバイスと細胞内生体分子を阻害する薬剤を用い、細胞の曲面上での挙動を解析することで、細胞がどの生体分子を用いて周辺の立体形状を認識しているか、その詳細を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、マイクロ曲面上で血管平滑筋細胞が示す挙動の詳細を観察するために、培養面の曲率を操作可能な新しい細胞培養技術の開発に取り組んだ。変形する曲面の上で血管平滑筋細胞を培養し、培養面の曲率の変化に対する細胞の配向追従挙動の観察を初めて実現した。さらに細胞培養系に改良を施すことで、曲面上で細胞が発する張力の計測に取り組み、培養面の凸形状が平滑筋細胞の表現型を収縮型に誘導することを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで生物学分野で焦点が当てられてこなかった「培養面のわずかな曲率が細胞に与える影響」を解析するための新しい技術基盤を構築した。そして、単一細胞よりもはるかに大きい直径数mm程度の曲面が細胞の配向や表現型に影響を与えることを実験的に明らかにした。これらの知見は、将来の再生医療において、細胞の挙動を制御し、体外で組織や臓器の構築を行う際の、足場材料の形状設計指針となることが期待される。
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