研究課題/領域番号 |
19K20694
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
有坂 慶紀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70590115)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ポリロタキサン / 超分子 / 歯周組織 / 物理バリア機能 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科領域において歯肉炎および歯周炎の治療は、歯周病罹患者の減少に繋がる重要な課題である。そこで本研究課題では、歯肉上皮細胞の物理バリア機能を回復するための足場としてポリロタキサンを基盤とした生分解性フィルムを作製し、ポリロタキサンの表面分子可動性調節に基づく歯肉上皮細胞のカドヘリン発現の亢進と物理バリア機能回復による歯肉炎抑制効果について解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ポリロタキサン表面の分子可動性が上皮細胞の細胞-細胞接着に果たす役割について評価した。分子可動性の高いポリロタキサン表面では、上皮細胞内の転写因子YAPが細胞質に局在化し、分子可動性の低い表面ではこのYAPが核に局在する傾向があった。さらに細胞質内のYAP局在は、タイトジャンクションに関連した遺伝子の発現を増加させた。このようなポリロタキサンを基盤としたバイオマテリアルは、生体内における物理的な免疫システムの改善や生体組織の修復のための強力なツールとして期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯科においては細菌感染によるタイトジャンクションの損傷が歯肉炎や歯周炎を引き起こし、歯周病の原因となることが知られている。歯周病は歯槽骨の破壊や歯の喪失のみでなく、アルツハイマー病、脳卒中、心臓病、糖尿病などとの関連が指摘されている重大な疾患である。細胞-細胞間接着を促す生体材料は、生体組織の再建を助けるのみでなく、炎症を抑えることで組織を治癒・修復することが期待される。バイオマテリアルを用いた生体組織の再構築と修復の両立は、組織再生において合理的であり大きなメリットをもつ。
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