研究課題/領域番号 |
19K20705
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 翔平 東北大学, 工学研究科, 助教 (50815149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 超音波医学 / 定量診断 / 肝炎 / びまん性肝疾患 / 粘弾性 / 超音波 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 超音波医用計測 / 慢性肝疾患 / 粘弾性計測 / 超音波エラストグラフィ / 超音波加振 |
研究開始時の研究の概要 |
肝炎などの慢性肝疾患に対する超音波画像診断は,リアルタイム性・低侵襲性・簡便性の点から有用な診断方法である。近年では超音波画像を用いて肝疾患を定量評価するための様々な手法が提案されているが,初期疾患を安定に診断できる技術はいまだに確立できていない。本研究では超音波による肝臓の硬さ計測法と,これまでに開発した肝臓組織構造の推定法を融合し,互いの欠点を補い合った新しい診断法を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では,肝組織の機械的特性計測法と組織構造推定法を融合した慢性肝疾患の定量診断法の開発を目指し,機械的特性計測法および肝組織構造推定法について検討した。機械的特性計測において,粘弾性を局所的に計測する上で必要となる,局所的な超音波加振系を構築した。肝組織構造推定では,超音波エコー信号の振幅包絡分布特性に着目した評価により,慢性肝疾患において近年の主要な課題となっている,線維化と脂肪沈着が混在した複雑な組織性状を定量評価するための見通しを得た。本成果に基づき肝組織の局所的な機械的特性と形態的性質を同時に評価する手法を確立することで,慢性肝疾患の早期定量診断の実現が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性肝疾患の超音波診断は,低侵襲性・リアルタイム性・簡便性の観点から有用であり,定量診断法について様々な研究が進められているが,肝生検に代わる確定診断法はいまだに確立されていない。この理由のひとつに,生体組織の音響特性が複雑であることが挙げられる。本研究は,複数の音響特性を同時に計測して複合的に評価することで,慢性肝疾患の安定な定量診断法を確立しようとするものであり,その社会的意義は大きい。さらに,本研究は定量診断法の開発に留まらず,生体組織構造と音響特性の関係を基礎から明らかにするという超音波医学分野の根幹にも貢献するものであり,学術的意義も大きいと言える。
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