研究課題/領域番号 |
19K20729
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北野 貴也 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70772193)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 血栓 / 人工心臓 / 脳卒中 / 脳梗塞 / 塞栓 / 血栓回収 / 再開通 / 線溶 / 心移植 / LVAD / 心不全 / 病理 |
研究開始時の研究の概要 |
左室補助人工心臓(LVAD)の開発により重症心不全患者の予後は改善し、LVAD装着患者数は増加の一途にある。一方で深刻な合併症である脳梗塞の増加が喫緊の課題となっているが、有効な治療法は確立していない。脳梗塞超急性期治療として経カテーテル的脳血栓回収術の有用性が期待されているが、LVAD患者特有の手技の難しさや周術期合併症が問題となる。そこで本研究は、LVAD関連脳梗塞に対する最適な急性期治療法の確立を目的として、①多施設共同レジストリの構築、②症例対照研究、③血栓病理・脳画像解析による検討を行う。
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研究成果の概要 |
左室補助人工心臓(LVAD)装着患者数は増加の一途にあり、深刻な合併症であるLVAD関連脳梗塞の治療が喫緊の課題となっている。経皮経管的脳血栓回収術は超急性期脳梗塞に対する有効な治療法であるが、LVAD装着中の患者は強力な抗血栓療法を受けており、塞栓源が特殊であるため、血栓回収術が実施可能なのかは不明であった。 そこで我々は他施設共同観察研究を行い、LVAD装着患者においても脳血栓回収術は超急性期脳梗塞の有効な治療法であることを明らかにした。一方で、LVAD関連血栓は赤血球の割合が少なく治療に抵抗性であり、LVAD装着患者は術後の出血性合併症の頻度が高いことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器移植の限られている本邦において、人工心臓は重症心不全において非常に重要な治療法の一つである。一方で、人工心臓装着患者は脳梗塞を発症するリスクが高く、脳梗塞後遺症が問題となっていた。近年、脳梗塞の治療法としてカテーテルを用いて血栓を脳血管から取り除く血栓回収術が可能となった。人工心臓を装着していても安全にこの治療を行うことが出来るのかは明らかでなかったため、本研究はこれまでの最大の症例数を集めて解析し、人工心臓装着患者でも血栓回収術が有用なことを示した。ただし、一般の患者よりもLVAD装着患者では周術期の出血性合併症が多く、慎重な治療を要することも明らかとなった。
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