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タイ現代君主制の維持・発展における王妃と宮中女性の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K20758
補助金の研究課題番号 17H06773 (2017-2018)
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金 (2019)
補助金 (2017-2018)
研究分野 地域研究
研究機関京都大学

研究代表者

櫻田 智恵  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任研究員 (90808304)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードタイ / 君主制 / 東南アジア / 王妃 / イメージ戦略 / 女官 / ネットワーク / メディア戦略 / 地方行幸 / ニュース映画 / 宮中女性 / 現代政治史 / プーミポン国王 / 宮中
研究開始時の研究の概要

本研究では、前タイ国王プーミポン・アドゥンヤデート(在位1946~2016 年)の絶大な権威形成には、王妃シリキットや王妃に仕える女官をはじめとする、宮中の女性が重要な役割を果たしたことを実証する。
具体的には、①前国王のメディア戦略において王妃が果たした役割、②王妃が持つ王族内の人的ネットワーク、及び女官の姻戚・交友関係を通した王室と政財界の紐帯の2 点について分析する。
本研究の特色は、東南アジアの君主制研究において看過されてきた「女性の役割」に着眼し、前国王および男性政治家や軍人の分析に偏重してきた先行研究の課題を克服する点である。

研究成果の概要

本研究では、前タイ国王プーミポンの権威形成において、王妃とその女官が果たした役割を2つの面から明らかにした。
①イメージ戦略においては、王妃に焦点が当たるのは、1960年代の外国訪問以降においてである。さらに、1980年代以降になると王妃単独の行啓も増加する上、国王との行幸啓の場合も別行動を取るなどし、「国母」という語りを強化した。
②人的ネットワークでは、王妃が直接リクルートした若い女官が参内するようになるのは、1970年代半ばころからであったことが明らかになった。この若い女官らは、それ以前の女官らに比べ、新興財閥や軍幹部の子息などと婚姻関係を結ぶことが多く、結婚後も再任官される傾向にある。

研究成果の学術的意義や社会的意義

王妃や女官といった女性の役割は、タイが上座部仏教の価値観を大きく反映しているがゆえに看過されてきた。また、タイ君主制の維持・強化には人的ネットワークが重要な役割を果たしているにも関わらず、先行研究ではその実態が不明であった。本研究は、宮中の女性という新しい観点を取り入れることで、タイの君主制を支える人的ネットワークの実態を解明でき、タイ地域研究に大きく寄与した。
現在タイでは、王位継承権を持つ男子が少ない。そのため女性王族の公務負担は大きく、女性の王位継承が盛んに議論されてきた。女性皇族の扱いについて議論が活発化しつつある日本に対しても、女性王族の意義を議論する本研究は、有益な知見を提供しうる。

報告書

(4件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 2018 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 2020 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「タイ式民主主義」の分水嶺 やがて迫られる日本の決断2021

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 雑誌名

      Wedge ウェッジ

      巻: 2021年2月号 ページ: 68-69

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 岐路に立つタイ王室――難航するメディア戦略、揺らぐ「タイ式民主主義」2020

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 雑誌名

      IDEスクエア「世界を見る眼」

      巻: -

    • NAID

      120006943717

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 事前学習編3 「タイ語を使ってみよう!」2021

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      北海道教育大学 函館校 国際地域学科 国際地域学 ハイブリッド型プログラム(オンライン)
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「国王神話」の形成:タイ国王の地方行幸と「陛下の映画」にみる奉迎の場の創出2020

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      東南アジア学会関東例会(オンライン)
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 事前学習編1 「タイってどんなところ?」2020

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      北海道教育大学 函館校 国際地域学科 国際地域学 ハイブリッド型プログラム(オンライン)
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 事前学習編2 「タイにとって王室とは?」2020

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      北海道教育大学 函館校 国際地域学科 国際地域学 ハイブリッド型プログラム(オンライン)
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「陛下の映画」の宣伝広告とその効果2019

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      タイ王室映画におけるメディア戦略と王妃の役割に関する研究会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 「国王神話」の形成:タイ国王の地方行幸と「陛下の映画」にみる奉迎の場の創出2019

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      東南アジア学会関西地区例会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 巷に溢れる王様の肖像:タイの「お父さま」が果たす役割2019

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      かわさき市民アカデミー2018年度後期政治・社会講座『君主制の比較政治論』
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] タイの君主制:タイ式立憲君主/タイ式民主主義とは2019

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      早稲田大学イスラーム地域研究機構研究会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 新国王即位後のタイ王室のメディア展開2018

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 学会等名
      「グローバル時代のアジアにおける君主制」研究会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [図書] 学位請求論文『「国王神話の形成過程:タイ国王の行幸と「陛下の映画」の役割』2019

    • 著者名/発表者名
      櫻田智恵
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 現代世界の陛下たち2018

    • 著者名/発表者名
      水島治郎、君塚直隆 編著
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623082773
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [図書] アジアに生きるイスラーム2018

    • 著者名/発表者名
      公益財団法人 笹川平和財団 編
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      イースト・プレス
    • ISBN
      9784781616582
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書

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公開日: 2017-08-25   更新日: 2024-03-26  

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