研究課題/領域番号 |
19K20837
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補助金の研究課題番号 |
18H05631 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
ロペス フリエタ 京都外国語大学, 京都外国語大学ラテンアメリカ研究所, 客員研究員 (80830067)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | メソアメリカ / 世界観 / ピラミッド / 耐震性 / 耐久性 / トラランカレカ / 考古科学分析 / 建築資材 / イデオロギー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ピラミッド型モニュメント建造物に利用されたアドベの成分組成を理解し、建造物の設計には耐久性ならびに耐震性という側面が考慮されていたことを検証する。現在までメキシコ中央高原におけるピラミッド型建造物の巨大化は、政治・経済発展に支えられた大量の労働力と建築材の獲得が要因となり、達成可能になったとの考えが主流であった。しかし、この解釈は一般論であり、学術的に考察され導き出されたものであるとは言い難い。研究代表者は、アドベの耐久性を求めた技術開発や、これを基に構成された内部構造の設計改良という試行錯誤の結果であるとの仮説を立て研究を実施する。
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研究成果の概要 |
現在までアドベに関する研究は、素材自体にではなく加工方法や形状の違いに研究の主眼が置かれていた。しかし、今回の科学分析により、少なくとも3グループに分けることができた。これらは強度や耐久度によっても同様にグループ化できると考えられる。さらに、今日までレンガの製造は、植民地時代以降と考えられてきたが、紀元後100年ごろトラランカレカで開始されていた。これは研究史上初めての報告である。一方、ピラミッドに壁画を描きやすくするため、外装の技術も発展していたことが分かった。この上、建築設計や建築材の改良は、ポポカテペトル火山の大噴火と関連し、建築におけるイノベーションが起こっていたことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在まで建築資材に関する研究は、これらを基に建造されたピラミッドの耐震性や耐久性を考慮してこなかった。本課題研究により、古代人はアドベの強度や外壁への塗装の効果性を考慮し改良を行っていたことが判明した。本課題研究で提示した方法論やデータは、今後この方面の研究の指標になると考えられる。一方、この改良は、火山による噴火と大きく関連していたという具体的な仮説を提示するに至った。これは、研究開始時に提示していた「建築資材や設計の改良はイデオロギーに関連する」との考えを補強するため、重要な知見を提供できたと考える。
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