研究課題/領域番号 |
19K20960
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補助金の研究課題番号 |
18H05768 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 盛岡大学 |
研究代表者 |
長田 洋一 盛岡大学, 文学部, 教授 (30826508)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 自閉症スペクトラム / 対人関係 / 心理劇 / 童話 / 通級指導教室 / 自立活動 / 大学での授業 / 発達障害 / 通級指導担当教員 / 通級による指導 / 教科の補充指導 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム児の対人関係の向上のため、申請者はこれまでに童話を題材とした心理劇を通級指導教室の自立活動の授業で実施してきた。「童話を用いた心理劇」が通級指導教室で広く活用されていくためには、通級指導教室全般の実情に合ったものに実施手順等を修正していく必要がある。そこで、次の2つのことを実施する。 ・2018年度 約120名の通級指導担当教員にアンケート調査を行い、発達障害児が通級による指導を受けている現状や、そこで行われている自立活動の具体的な内容や手だてについて調査した。 ・2019年度 調査結果を踏まえ、申請者が行ってきた従来の方法を改訂し、改訂版を試験的に大学の授業の中で実施する。
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研究成果の概要 |
通級担当教員にアンケートを実施したところ、発達障害児は落ち着きがなかったり、強い不安感を示したりしていることがわかった。そのため、「童話を題材とした心理劇」を通級指導教室で行う際は、やさしさをモチーフにした心温まる穏やかな童話を実施することによって発達障害児は心理的に安定すると思われる。ハッピーエンドで終わる童話がふさわしいだろう。 学生に対して「童話を題材とした心理劇」を実施し、終わった後の自己評価や感想から、改善点を検討した。その結果、演者には他者からの働きかけに適切な反応ができるように援助する必要があることと、観客がいると演者の演技意欲が高揚するため、観客を設定するとよいことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ASD児の社会性の困難さを改善するアプローチとして、広く活用されているSST以外の新しい技法として「童話を題材にした心理劇」の開発に努めている。本研究では、劇で用いる題目は「やさしさ」をテーマにした童話が適していること、他者からの働きかけに対して適切な反応のしかたを対象児に指導すること、演じる意欲を高めるために観客を設定することの3点が重要であることがわかった。この3点を「童話を題材にした心理劇」に取り入れることによって、さらに本技法の完成度は高くなると思われる。その結果、「童話を題材にした心理劇」が多くの通級指導教室で用いられるようになり、ASDの対人関係の改善に役立つようになるであろう。
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